皆様、新年あけましておめでとうございます。
週間エッセイのコーナーは今年で3年目に突入です。
第100作目のアップも真近にせまり当コーナーを担当している者としては、
本当に嬉しく思います。 これからも、利用者の皆様にお楽しみいただけますよう
より一層頑張って行く覚悟ですので、どうぞ宜しくお願いいたします。
現役外資系FA(週刊essay担当)
( Photo by (c)chiaki )
あけましておめでとうございます。外航クルーのUDRです。
第96話から第99話までの担当者紹介!
不束者ですがどうぞよろしくお願いいたします。
受験生の方や現役、先輩の方のご意見も伺えれば光栄です。
第96話 「第1章」 - 9 Jan .2003-
私の周りには異様にクルーが多い。国内系、外資系、不思議なのは
私達の誰も、スクールに通っていないこと。皆、学生時代からの友人たちです。
スクールへ行き、面接のノウハウや客室乗務員としての振舞い方を学ぶ。
確かに、スクール同窓生でいろんな会社に交友関係ができ、今も情報交換
をしたり楽しそうだな、ともいえます。
でも、高い授業料払って、付け焼刃の手話を習って、
お決まりの問答をたたき込んで、自分を作り上げて、
本当にそれが合格につながると私は思えないのです。
第97話
「第2章」
- 16 Jan .2003-
私達の仕事はよく「空飛ぶウエイトレスだ」などと言われますが、 第98話
「第3章」
- 24 Jan .2003-
ラインアウト。訓練を終えていよいよ初フライトです。 第99話
「最終章」
- 30 Jan .2003-
ポーン。シートベルト着用のサインが消えました。
みなさま、こんにちは。 第100話
「機外風景」
- 6 Feb .2003-
わたしが機内ですることの中で、 第101話
「第二話」
- 13 Feb .2003-
わたしたちは世界のいろいろな空港に行きますが、 第102話
「クルーのパスポート」
- 21 Feb .2003-
よくお客さまに聞かれることがあります。 第103話
「最終章」
- 27 Feb .2003-
最後に迷子になった私のお話をひとつ。
こんにちは。 第104話
「コンシェルジェとは・・」
6 Mar .2003-
皆さんは私たち「コンシェルジュ(CONCIERGE)」 第105話
「初めてのトレーニング」
13 Mar .2003-
私は、今の会社で働き始めて3年になりますが、 第106話
「心意気」
20 Mar .2003-
コンシェルジュとして2年が経ちますが、
私がまず始めにしたことは、チェックインカウンターでの しかも場所を聞いて間違った場所を教えられた お客様の質問は容易なものから難解なものまで様々です。 でもお客様は 『それぐらい知っているはず!!』 くらいの おかげで顔見知りのお客様も増え、遠慮なし(笑)の 最終章では、遅ればせながら私のこれまでの 第107話
「過去/現在/未来」
31 Mar .2003-
このエッセイを読んでいる方は、航空業界を目指す
それはフライトが安全な証拠。お客様の目にはなかなか映りませんが、
本来、私達は保安要員なのです。サービスはもちろんですが、
通訳、保育士、看護士、救急隊員としての役目があります。
その膨大な知識を詰め込む3ヶ月に及ぶ訓練。
現役クルーが忘れられないというその3ヶ月とは・・・。
まず、マニュアルの厚さと多さにおののきました。航空医学では
機内でよくおこる病状と対処法、搭載しているお薬の投与法や
蘇生法など。この知識は乗務してて、自分にも役立つことばかりです。
そして、航空力学。飛行機が飛ぶ原理や飛行機の構造を学びます。
次に搭載している非常事態発生時の使用器具のお勉強。
急病人が出たり、注)ディコンプレッションの際使用する酸素ボトルや
消火器具、避難時に使用する救援器具などなどの使用法を学びます。
そしてやっと、乗務する機材別の注)EMG。
機材によって異なるドアの操作からスライド(ドアについてる滑り台)
の操作法、着水時のボートの切り離し・・。飛行機は「もしも」の時、
何重ものケースを想定して避難方法が考えられています。
ただ、ドアを開けばいいって訳じゃないんです。
さて、お次は着替えていただきます。つなぎです・・。
そう、実際にモックアップ(現物大の飛行機模型)で避難訓練です。
クルー役や乗客役に別れて行います。
この際、私は調子に乗ってスライドをすべり、着地に失敗し、
ぽーんと投げられて、肩を強打しました。痛かった・・・。
結構、コツがあるんですよね。投げられた人は数知れず。
床にはたくさんのキスマークがありました。
個人的にはボーイングのほうがエアバスより
滑りやすいと思いますが、現役の方どうですか?
さて、つなぎのまま着水時の救助訓練です。
救命胴衣を着用しているので後ろ向きに泳ぎます。
ラフト(ボート)から水に潜る際も後ろ向きに。
私の同期はダイビングをする人が結構いて、さまになっていたなぁ。
そして、もう一度着替えます。最後は制服です。
入社時に採寸した制服が教室に届けられていました。
ここからは、機内のサービスのお勉強です。メークアップレッスン、
アナウンスやカクテルの作り方、免税品を販売する際の
レートの計算方法など、日頃皆様がご覧になる業務のお勉強です。
全ての項目には試験があります。まじめな人は毎晩復習会をしてました。
試験でクリアできなかった人は追試があります。
まれに、不採用になることもあるそうですが、緊急時のことを
考えると甘えは許されないのかなと思います。
こうして、厳しい訓練を終えて晴れて卒業となるわけですが、
その後も1年に1度、注)EMG訓練が続きます。それだけではなく、
政府の機関のお役人が抜き打ちで安全に関する様々な
質問をしてくることがあります。いわゆる、ラインチェックです。
クルーにはお勉強好きな人が多いと思います。
業務上のお勉強以外で、語学、お花、ソムリエなどの
資格獲得をしている方がたくさんいます。
それでは、今回はこの辺で。
注)ディコンプレッション 減圧:機内は人体に影響が出ないように
一定の気圧を保っていますが、機材の故障で急激に気圧が下がると
機内の空気が薄くなってしまう為、酸素マスクが自動的に
頭上から降りてくるようになっています。
注)EMG Emergencyの略:直訳では緊急となりますが、
航空業界では緊急脱出の手順の事をさす事が多いです。
まず、オペレーションセンターでショウアップ。
出勤は離陸の2時間前です。
そこで、乗務するクルーと顔合わせ、ブリーフィングと続きます。
ブリーフィングでは、その日のフライトの打ち合わせをします。
PIC(キャプテン)の名前、使用機材、特別食の確認、
エマージェンシーのビデオを見た後、関する質問があり、
答えられないクルーは乗務不可となります。
ブリーフィングが終ると、ターミナルへと向かいます。
いくら、モックアップ(飛行機模型の訓練施設)で練習したとしても
実際に飛んでみるとなかなかうまくいかずにもどかしいものでした。
まず、時間との戦い。フライトの1時間前には機内に入り、
使用機材の安全チェック、サービスするミールの確認、用意、
お手洗いのアレンジ、新聞や雑誌のアレンジ、ヘッドフォン
の準備など、確実で迅速な行動が要求されます。
離陸の約30分程前、お客様のボーディング開始。
新人の頃はただ、笑ってお迎えするのが精一杯、
むしろ笑顔だけが武器!だったりするのですが、
だんだん乗務しているとボーディング中に観察するようになります。
ドアサイドで笑顔でお迎えしながら、その日のお客様の
「感じ」をつかみます。つまり、行き先によってもお客様の色がある
のですが、そのフライトごとにもお客様の「感じ」があるんです。
笑顔で挨拶を返してくださる方、逆にむっとしていらっしゃる方、
ご気分が悪そうな方、お席が分からない方、英語をお話にならない方、
団体のお客様、乗りなれていらっしゃる方、提携の航空会社のチケットを
お持ちの方(コードシェア便でお買い求めになったチケットと実際の
使用機材や乗務員が異なる場合)、お子様連れの方・・
きりがありませんが、お客様によって求めていることが違うので、
ボーディング中はお客様の「感じ」をつかみ、その日のフライトの
サービスの流れを頭で描くのです。
さて、ドアクローズ。
外資で勤める日本人クルーは全ての機内アナウンスを日本語に
訳さなければなりません。機内では使用できない電子機器があること、
非常口がいくつ、どこにあるなど、日本人のお客様にご案内します。
また、お客様のシートベルトを確認したり、お座席を起こしたり、
窓のブラインドをあげたりするのも大事なお仕事です。
ところで、どうしてブラインドを開ける必要があるのか、ご存知ですか?
緊急事態発生時に、昼間のフライトでブラインドをしめていると
実際に逃げる際、目がくらんでしまう。夜間便だとその逆、
目が慣れていなくて危険というわけです。
よく、まぶしい!とお叱りをうけてしまう私達。
あなたの為にやってるんだっつーの。
キャプテンが離陸のサインを出しました。
一路、飛行機は目的地を目指して飛び立ちます。
ジャンプシート(クルーの席)に座る私達は、
離陸の際も緊急事態のことをレビューしています。
しつこいくらい、安全に関する教育をされているのですね。
飛行機がクルーズ(水平飛行)状態に入るとシートベルトサインが消えます。
不思議とお客様として乗っていると、シートベルトサイン・オフまでの
時間が妙に長く感じますが、乗務していると本当にあっというまなんですよね。
さあ、サービスの開始です。というところで、続きはまた次回。
私はまだジャンプシートに座っていますね・・。
ギャレーに戻り、ドリンクカートの準備をします。
乗せているお飲み物の種類は会社によって異なるのですが、
私の会社はとにかく種類が多い!
カクテルもたいていのものはご用意できます。
そして、一番クルー泣かせなのは「ブラッディーマリー」というカクテル。
飛行機でわざわざこれを飲みたいと思うのか不思議ですが、
意外と注文を頂きます。日本人の方はあまりお飲みには
ならないようですが、外資だと結構頼まれます。
「ブラッディーマリーミックス」という、あらかじめトマトジュースと
ウスターソース、タバスコがミックスされた缶があるのですが、
私の会社では使用せず、全て手作業で作ります。
そして、新人の頃は手間取ってなかなかドリンクカートが進まない!
しかも、突然入る機長や英語のアナウンスに耳を傾け、その場で訳して
日本語のアナウンスをいれなければなりません。慣れるまでは大変。
ところで、たまに「ミルク下さい」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
もちろん、搭載していますのでお出ししますが、機内で牛乳・・・?
ドリンクに続いて、ミールのサービスが始まりました。
ここでいつも頭を悩ませるのが、ミールのチョイスがなくなってしまうこと。
ひたすら、「申し訳ございません。」と謝るしかないのですが、
反対側のクルーは「こちら、本日のおすすめのお魚です!」と
堂々とトレイを置いていってました。 強い・・。
ミールをサーブした後、ころあいを見計らって日本茶、
コーヒー、お紅茶とお出しします。新人の頃ですが、
「日本茶でございます。日本茶はいかがですか?」と日本茶をサービス
している私に向かって、突然お客様の「あれ?君、日本人なの?」
というお声が。 私も初々しかった頃、「はい、さようでございます。
なんなりとお申し付けくださいませ」などと小会話をはずませ、
また日本茶を続けました。すっごい笑顔で続けた私の言葉は、
「日本人でございます。日本人、いかがですか?」・・・。
ところで、トレイを片付けるころあいを見測るのも難しいものです。
早く片付けてお休みになりたいお客様、ゆっくりお食事を楽しまれるお客様。
そしてそろそろかな、とトレイをお引きする時にクルーは密かに見抜いてしまうのです。
お客様のお食事後のトレイ。実は、お客様の姿を映したものなんですよね。
機内食はあらかじめ、トレイの中にきちんと平面的にお皿が並べてあるのに、
なぜだか片付ける時になってお皿があっちゃこっちゃと妙に立体的になっていたり。
こちらとしても、カートの中にしまう作業が中断されてしまうので(カートの限られた
スペースにあわせて、そのトレイのお皿を元通りにしないと入らないのです!)
どうしても目立つんですよね。
もうひとつ不思議に思うのが、クルーが空のグラスやおつまみの袋を集めている時、
何列分かを集めるとすぐトレイがいっぱいになってしまいます。そこで、いったん
ギャレーに戻り、また新しいトレイを持って集めるのですが、その前に、山積みの
トレイにさらにビールの空き缶やごみをのせてこようとされるんですよね。
それでも、お客様が善意で回収作業に協力されてるんだと思って、もちろん笑顔で
「恐れ入ります」と申し上げますが、山積みのトレイが雪崩をおこして
お客様にかかってしまわないかとヒヤリとします。
そして、大事なお仕事、お手洗いのお掃除もします。
お客様が2,3人お入りになったら、その都度、ペーパーの
補充やアメニティーの追加などしています。国際線でフライト
タイムが長いとはいえ、あまり座っていることはありません。
もちろん、クルーバース(機内のクルーレスト用の小部屋)で
仮眠をとることはありますが、その他の時間はキャビンを見回って、
入国書類を書くお手伝いをしたり、機内免税品の販売をしたり、
体調が悪そうなお客様はいないかと常に歩き回っています。
私達は、例えば太平洋路線では約20キロの距離を歩いていることになるそうです。
その中で浴びる放射線により、レントゲンを2枚撮っていることになるとか。
本当に、体力がものをいうお仕事なのです。
それでも、私達は笑顔で、その裏でどんなことがあろうとも
(たとえプライベートがうまくいってなくっても・・)お客様の安全な
旅のお供をしています。 それは、お客様がギャレーにいらっしゃって
お話ししたり、写真やお手紙を送ってくださるお気持ち、
そして「ありがとう」の一言があるからこそ。
飛行機がどんなにジュラルミンに覆われたハイテクな機械でも、
中で働いているパイロットやキャビンクルーは人間ですから、
そういった心からのおもてなしがお客様に響けば、甲斐性を感じます。
さて、そろそろランディングです。つたない文章に
お付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。
皆様からのご意見を伺えれば幸いです。
また、空のどこかでお目にかかれることをお祈りいたしております。
ごきげんよう、さようなら。
・・なお、ひきつづきお乗り継ぎのお客様は〜なんちゃって。(寒!)
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( Photo by (c)chiaki )
第100話から第103話までの担当者紹介!
国内系現役FAのごんと申します。
このコーナーには3回目の登場となります。
毎回何件か感想をお寄せいただいて、
とっても励みになっています(^^)
自社のどのFAにも負けないくらい好き!
と自負できるものがあります。
景色を窓から眺めること、です。
乗務中も、業務の合間に外を見ています。
(もちろんちゃんと仕事はこなしてますよ)
今の時期だと、ヨーロッパ線や北米線では
毎回ではありませんが、オーロラを見ることができます。
昼間の明るいうちに、地上の町並みを眺めるのもいいのですが、
わたしが好きなのは夜景です。
最近見た中で一番のお気に入りは、
夜の韓国上空です。
やわらかいオレンジの光がとても印象的でした。
機内スクリーンに映し出されているスカイマップと見比べながら、
景色をしっかり堪能しておりました。
そんな私ですので、社員チケットで国内線に
乗る時などは、必ず窓側に席を取ります。
羽田を離陸して、札幌に向けて北上するにつれ、
だんだんと雪景色に変わっていく様といったら!
機内誌の日本地図のページと窓の外と
ニコニコしながら交互に見比べている様子を見た同期は
半ばあきれ顔だったような・・・(^^;
あれこれ申し上げましたが、
実はこれといった景色がなくても、
ずっと広がる青い空と白い雲を見ているだけでも
満足なんです!
窓の外をじーっと眺めているFAがいたら、
景色をアツく説明しているFAがいたら、
それはわたしかもしれません。
それだけ、いろいろな航空会社のクルーとも会います。
同じ業界に生きる者どうし、話題はやっぱり仕事の話。
イミグレーションや荷物検査で並んでいる時、
またはステイ先のホテルなどで話す機会があります。
どこから来たの?
今日のフライトはどうだった?
フライトタイムは何時間?
ステイ先では何するの?
などなど。
あとは着ている制服にも話が及びます。
パンツスーツは働きやすそうでいいわね。
そのブラウスとってもきれいな色ね。
このブラウスはシルクなのよ。
ワンピースだと着崩れしなくていいわね。
そのバッグかわいい!
などなど。
他の制服がうらやましく思えてきます。
でも自分の制服がほめられる時には、
まだイケるかも・・・?なんて思ったりもします。
みなさんも、空港に行った時には、
クルーたちの制服にも注目してみてください。
民族調のもの、かっちりした事務員調のもの、
目を引く鮮やかな色あいのもの・・・。
けっこう楽しいものですよ。
「いっつも海外行ってらっしゃるから、
パスポートにスタンプいっぱいなんでしょ?」
「出国審査してないけど、顔パス?」
わたしたちクルーも、
もちろんパスポートを携行しています。
あともうひとつ大事なもの、IDカードです。
首からかけていたり、胸ポケットにとめてある、あのカードです。
両方ないと乗務できません。
日本を例にとると、
出国時、出国審査場端の窓口にて、
書類に印をつけて出国します。
書類とは、クルー及び航空機の出入国を証明する書類です。
外国籍のクルーはさらに別の書類が必要です。
出国時にスタンプは押されません。
海外到着時、
だいたいの国で、一般旅客用とは違った、
クルー用の入国&税関用書類を作成します。
アメリカの場合、業務用ビザのチェックと、
スタンプシートのようなものにスタンプを押してもらいます。
ヨーロッパの場合は、ほとんどの場合IDの提示でOKです。
アジアでは、係官に名前があるかチェックしてもらいます。
なぜか、バンコクではクルーリストの一覧表に、
年齢を記入する欄まであり、微妙な年齢の方々は
列の後ろに回ったりしています(笑)
どの国でもお客様のようにスタンプは押してもらえません。
ヨーロッパのいくつかの国では
飛行機から直接バスに乗って、
バス内で税関書類の提出とIDカードチェックのみで、
ホテルまで行くこともできます。
ほとんどクルー用入国審査場での待ち時間はありませんが、
到着便が重なると、混雑することもあります。
わたしの乗務する範囲では、
ホノルルはいつも混んでいますね。
クルーは、パスポートにスタンプはたまりませんが、
きちんと出入国の手続きはしています。
顔パスではありません・・・!
訓練が終わり、やっとひとり立ちしてフライトを始めた頃。
初めて香港へフライトしました。
先輩に連れられてごはんを食べにいったり、
楽しいステイでした。
ここまでは良かったのです。
帰りの啓徳空港(懐かしい!)にて。
わたしは手荷物検査にひっかかり、検査されている間に、
先輩達からはぐれてしまいました。
搭乗ゲートに行けばみんないるだろうと思い、
行ってみたけど誰もいない!
それどころかゲートの鉄の扉はガッチリ閉まっている。
・・・・ど、どうしよう・・・迷子になっちゃったー(涙)
しかし迷子って久々・・・?!
急いで元の検査場に戻って、他クルーの行き先を聞いてみたけど
わからないとの答え。
ふとそこに自社のグランドクルーを発見。
追いかけたけど、人ごみにのまれて見失ってしまった。
(当時の啓徳空港は狭く、人口密度が高かった)
途方に暮れるわたしに、なぜか日本人のお客様から
このゲートはどちら、やら、食事ができるところはどこか、やら
質問攻め。
こっちが聞きたいのに・・・。
わたしを置いて、出発しちゃったらどうしよう。
とまで考え、さらに不安が募ってきました。
そんな切羽詰った状況ながら、思いついたこと。
「空港事務所へ電話する」
電話に出た女性に、
「あのぅ、成田行きのクルーですが、
迷子になっちゃったんですけど、
みんなはどこにいるかご存知ですか(涙)」
一瞬事態が飲み込めなかった様子でしたが、
丁寧に教えてくださいました。
空港事務所でブリーフィングしてから
機内に向かう動線だったのです。
みんなと再会した時のうれしさといったら!
わたしを見つけたチーフパーサーは、
「ごめんなさいね。
あなたがいないことにさっき気付いたのよ。
(その便のクルー編成は18名)
今から探しに行こうと思ってたところだったの。」
ほっとしたのと同時に、ちょっとがっかり。
私ってば、存在薄いかも・・・。
ブリーフィングが終了するまで気付かれなかったとは。
それ以来、動線がわからない時は
他のクルーに声を掛けて、
迷子にならないようにしています。
クルーのみなさん、迷子には気を付けましょう。
私だけかな?
===========================
今回のエッセイ担当で3回目でしたので、
これで合計で12回分エッセイを書きました。
普段の乗務の際、色々な出来事を目にしているのですが、
いざ文章に書いてみるとなると結構大変です。
エッセイに対する感想メールを心よりお待ち申し
上げておりますのでどうぞ宜しくお願いします。
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( Photo by (c)Messy )
第104話から第107話までの担当者紹介!
今日から新しく連載担当を命じられました
某外資系航空会社で働くコンシェルジュのサムです。
どうぞよろしくお願いいたします。
を見かけたことがあります? まだお会いしたことがなければ、
私たちはまだまだ努力が足りないのかもしれません。
もともと、「コンシェルジュ」の言葉には、フランス語で
『守衛、門番、管理人』という意味があるのだそうです。
その意味のとおり航空会社のコンシェルジュは、
皆さんが搭乗券を受け取るために立ち寄るチェックイン
カウンターや搭乗口で、門番のごとく皆様をお待ちしているわけです。
本土のホテルから始まり、最終的には世界中の有名ホテルで
「よろず賜り係り」として名を知られるようになってきました。
お客様の「わからない。どうしよう。誰に聞けばわかるのだろう。」
という疑問を解決するべく、生まれたサービスなのです。
では実際に航空会社のコンシェルジュはその仕事をどう
生かしているかというと、主には顧客であるFrequent Flyerを対象に、
その様々な問題や依頼を解決することに向けられています。
各航空会社には搭乗実績によって格付けされるプログラムがある
ことは皆さん勉強済みかとは思いますが、私の勤務する航空会社では
特に年間10万マイル以上ご搭乗いただいた方やビジネスクラス旅客の
お客様がその対象です。 ですから、様々な業界の会長、社長にはじまり、
国賓クラスや芸能に携わる著名人など商用目的で動く人々の多くが
私たちのお相手となるのです。
では、具体的にどんな依頼があるのか…
本当に様々な依頼を受けます。新規予約の依頼、
予約変更、予約の解約、事前座席受け付け、乗り継ぎのアシスト、
忘れ物の捜索から配送手続き、滞在ホテルの手配などなど。
いわゆる搭乗客皆様の秘書的役割を担っているわけです。
時には滞在中の観光案内や、素敵なお食事のためのレストランの
リストアップなどにも貢献させていただく機会もあります。
一番わかりやすいのは、よくテレビで芸能人の方や政府関係者等が
空港から出入国する際に、報道陣からインタビューを受けながら
搭乗口を通られますよね。 そのときにちらっとですが航空会社の
職員が誘導している場面を見かけたことはありませんか?
私の会社ではこれもコンシェルジュの仕事だったりするんですよ。
こうした業務は、あたりまえのようでとても大変なことです。
私たちは普段からお目にかかる顧客の情報や嗜好は
収集しておき、嗜好に適った対応ができるよう日々努力しています。
しかし、私たちの仕事には楽しいばかりではなくIROP*1の際やどうしても
生じてしまう荷物の未着や破損によってご迷惑をおかけする場合もあります。
どちらかというと私たちの役割の一番重要な仕事はこういった際にお客様の
苦痛を和らげ、速やかに対処することに置かれていると感じています。
その時の状況、お客様の反応、そして対処の内容はブラックリストならぬ
顧客リストと呼ばれるファイルにしっかり記録しておき、
次にお会いするときの接客に活かしています。
ご迷惑をおかけしたことのあるお客様に、何食わぬ顔で
「こんにちは。」なんて最初から笑顔でご挨拶できませんからね。
時には予測できない状況に遭遇する場合もあります。
いつものようにカウンターでお客様をお迎えし、ラウンジへのご案内に奔走
していたときのことですが、電話でラウンジの係員から次のような知らせが
飛び込んできました。「ご出発のお客様がトイレで倒れました。すぐに来てください。」
考える間もなく駆けつけたところ、報告どおり外国人の女性がトイレで気を失っていました。
何度か呼びかけましたが、反応があっても問いに答えられる状況ではなく、
ずいぶん具合が悪い様子でした。 目撃者から状況を確認すると、ずいぶん長い時間
トイレの個室で過ごした後出てきてすぐ倒れてしまい、その時運悪く頭を打ってしまった
らしいとのことです。 しかも運悪くご主人は免税店へお買い物に出かけているところでした。
私は救急車の手配を依頼し、ご主人をアナウンスで呼び出すよう指示しました。
また、既に飛行機に搭載されてしまった荷物の取り降ろしを指示したのです。
戻って来たご主人に頭を打っているので念のため精密検査を受ける為、
救急車で総合病院に向かう説明をしました。
通常航空会社からのサポートはここまでとなりますが、救急隊員との
コミュニケーションが難しく通訳も含めて彼らのアシストを買ってでて
搬送先の病院までつきそうことになりました。 自国から遠く離れた場所は、
それだけでも不安だというのに、まして発病しては、ストレスが一層増すことになります。
こんな時も私たちはお客様のために何かできることはないか一生懸命考えるのです。
幸い精密検査の結果、大事には至らず、翌日便への搭乗も
お医者様から許可を頂くことができました。
どこで仕事をする上でも、業務範疇が決められているかと思います。
独断で決定、そして実行が難しいこともあると思います。また、できることに
限度がある場合もあるでしょう。私の仕事も一概ではありません。
しかし、コンシェルジュは航空会社が大切にしている顧客の為に生まれた
サービスであり、かつコンシェルジュである以上私は困っているお客様の抱えている
問題や不安が取り除けない内は自分の責務が果たされたとは思えません。
どちらかというと無形で決まりのないサービス、だとしたらその可能性も無限大(笑)
くらいと情熱と責任のある仕事だと私は考えています。
最初から熱い内容ですみません。
これに懲りずにまた来週読んでやってください。
IROPとは…Irregular Operationのこと。主には遅延、出発取りやめ等。
コンシェルジュサービスは丁度2年前に開設されました。
当初200人がコンシェルジュとして採用され、最初に行われた
トレーニングは2回に分けそれぞれおよそ100人ずつが参加しました。
初めての海外出張でしたが、航空会社の出張はいいですね。
空席がないと無理ですが、ビジネスクラスを利用する
チャンスがもらえるのです。
もちろんそこにはちゃんと意味があります。
自分達が接客するお客様が機内でどんなサービスを
提供されているのか理解するためです。 しかも、お客様の視線で
客観的に自社のサービスを垣間見る、絶好の機会といえるでしょう。
ただ単に「ビジネスクラスに乗れる!!」が航空会社職員の特権であれば、
無駄遣い、そして航空会社の怠慢ともとられかねませんよね(苦笑)。
もちろん、それだけの努力もしましたよ。
機内食は完食(笑)、無理のない程度にワインも数種試し、
座席のPersonal Videoでは見たい映画を見て、
更にはゲームも楽しみました。
そして搭乗しているお客様の「機内での過ごし方」なんかも
こっそりチェックしながら過ごしていました。
あまりの気合の入れ様で、到着するころにはすっかり
疲れちゃいましたね。ビジネスクラスなのに???
そして、トレーニング初日。
Speaker’s GuestのMs. Holly Stielさんの講話から始まる
トレーニングは、「コンシェルジュがなんぞや?」であった私を、
一瞬にして情熱を持たせるに十分でした。
彼女はホテル業界、ホテルコンシェルジュの世界では
知らない人はいない程有名な方です。今は時間の殆どを
こうした講話や新人コンシェルジュの育成に費やして
いらっしゃるようです。彼女に興味のある方は、
著書「究極のサービス」をご覧下さい。
決して私は回し者ではないのですが(笑)、サービス業を志す方
には是非読んでもらいたい一冊と思っています。というのも、
わたしとこの本の出会いも尊敬する今の上司から自分が目指す
サービスの参考にとくださったからでした。
この本にはたくさんのヒントが隠されています。
いいものはみんなで共有したいと思い紹介させて頂きました。
さて、話を戻しますが、彼女を皮切りに次々とGuestの講話が
続きました。 「ん〜〜マインドコントロールとやらではあるまいか??」
と思ってしまうほどの時間が過ぎていきましたが、どの方もすばらしい
サービス業のプロでしたね。要するに、初めて行うトレーニングですから、
会社としてどういう精神をもって第一線でお客様と接するべきかと
根底から叩き込みたかったのだと思います。
結果的に成功したのでしょう。すっかり私はなんちゃって素敵な
コンシェルジュ気取りにさせられたのですから。
私たち同士は世界各国から集まるので、国籍も違えば
母国語も違います。 また、年齢や職歴も本当に様々なのです。
次のトレーニングでは、そんな知り合ったばかりの私たちが
お互いをよく理解するのに必要な内容でした。
大体6グループ程だったでしょうか(?)に分かれ、身近な「話題」
を頼りにディスカッションです。 リラックスした状態で思ったことを
話すことで、お互いがこれまでに培ってきた人生を垣間見ることができました。
難しいことではありません。 ですが、こんなところに相手がどんな人で、
どういうBackgroundの中、何を考えているのかを知ることができたのです。
これは後になってとっても大切だということがわかってきました。
私たちは国も違い、言葉も違う遠い場所で仕事をしています。
特に時差があれば、電話でちょっとお願いすることも難しい場合もあります。
そんな中、コンシェルジュ仲間だというだけで、信頼しお願いごとを
することになります。こういう場合、相手が知っている人かそうじゃない
人なのかで頼む側の面持ちはずいぶん変わってくるのです。
と思っていました。 そこは日本人らしく(笑)、もっと実用的な
トレーニングであって欲しいと考えていたんですね。
無駄なことは何一つないってことなのでしょう。 そんなこんなで
正味5日間のトレーニングは終了しました。他にもいろいろありましたが、
とても書き尽くせません。 まあ、初回ということもあり、気合の入った
私の会社は、今回 ICI (International Concierge Institute/ホテル業界で
プロを目指す若いスタッフの育成を目的とする団体)から講師を迎えて
私たちをマインドコントロール(?)することに成功したわけです。
強烈でしたが、思惑どおり私はすっかり会社からの使命を自ら負い、
今もこのとおりコンシェルジュワールドにどっぷり浸かっております。
リフレッシュをかねてですので、内容も日程も違いますが、信頼を深め
且つサービススキルを高めるには不可欠なものと言えます。
実は今年から2回かも??なんて言葉も囁かれておりますが、そんな
美味しい話があるわけもなく、コンシェルジュにあるまじき卑しさで、
「今度はどこに行けるのかしらぁ〜〜」なんて待ちわびている次第です。
困ってどうしようもないときでも、コンシェルジュによるコンシェルジュ
頼みで日々難問解決に奔走しているのです。
では、また次回お会いしましょ。
とても充実した日々を過ごしています。
今から考えると、最初の頃はビジネスクラス専用の
カウンターでうろうろしてるだけの「怪しいヤツ?!」
だったかも知れません。 もともと日本では知名度の
低い『コンシェルジュ』、しかも場所は空港です。
「何するの?」てな感じです。ですから、今のように
ある程度業務手順が出来上がってないわけです。
このサービスを利用するお客様が、私たちの存在
に気づかなければいつまでたっても蚊帳の外と
いった状態です。 でもだからといって、「私はここを
取り仕切るコンシェルジュでございますぅ」と宣伝して
歩いているわけでもありませんが…(笑)
ロビーサービスの強化です。 だから、普通にこなす
ロビーサービスじゃありません。
《とにかく話しかける》、
《自分に興味を持たせる》、
そして《質問させる》のです。
私の経験からくる見解では、サービス業と呼ばれる
業種では必ずお客様の一番目に見える場所に
ロビーサービスのスタッフを配置してます。
いくつか例を挙げると、ホテルではドアマンや
ベルガールなど、銀行では案内係り(ATM機付近)、
百貨店ではインフォメーションデスクのお姉さん、等など。
彼らは不慣れなお客様はもちろん多頻度客の
「どうすればいいんだっけ?」に対応するためにいます。
それは難しいことばかりではなくどちらかというと
ごく簡単な事だったりするはずです。
でも、皆さんの経験の中で、すぐ答えが返ってくるはずなのに
何十分も待たされたり、うだつのあがらない返答で結局
納得できない思いをしたことはありませんか?
私は正直ですからちゃんと答えますが、よくあります。
こともありますよ(苦笑)。 結局何を伝えたかったというと、
サービス業といえどもポリシーのある会社かそうでないかを
判断するポイントの1つとしてここが挙げられるということです。
本当にお客様のことをわかっている会社なら、このスタッフこそ
しっかり教育されているべきだと私は考えます。
私はこの経験があったからこそ、まずそこから
攻めていこうと考えたわけです。
皆さん想像できますか?
私は航空会社のチェックインカウンターにいます。
でも、聞かれるのは「銀行はどこですか?」に始まり、
「トイレはどこですか?」だったり、挙句の果てに
「国際電話の掛け方がわからない」なんていうこともあります。
ここで「またかぁ」と思わず、相手の求める答えを丁寧に答えるのです。
もし、お客様が「もう1つ聞いてもいいかしら?」なんて続けて
くればしめたものです。 殆どのお客様は本や、パンフレットで
行き先の情報を入手済みなわけです。 でも、やっぱりそこに
書かれていることだけでは十分ではなかったり、土壇場になって
困ったりすることも出てくるでしょう。 そんな時は、航空会社の
人に聞く方が早いなんて思う人もいるはずです。
実際はそこで働く人が必ずしも知っていて、
即答できるわけではありませんけど。
旅行者が行く場所は様々です。全部に答えられる人がいたら、
その人は時間もお金も自由になる人でしょう。
そんな人は航空会社にいません。
世の中にも数える程しかいないはずです。
勢いで尋ねて来られます。「それはわかりません。」とか
「お客様自身でお調べください。」と言ってしまえば簡単です。
本当のところを言えば、飛行機に関すること以外は関与
しなければならない理由はないのですから…
でも、私はできるだけ無くすようにしています。
ある程度のことは、時間をかければわかることです。
その時間も経験が増えれば増える程、事前に調べておく
ことも誰に聞けばよいかもわかってくるものです。
この一見無駄に思えるかもしれない作業と努力が、
決まりきったサービスと当たり前のサービスから
一歩前進すると信じているからです。
質問もどんどん増えてくるようになりました。
ある程度嗜好を把握したと思い込んでいるお客様からも、
「こんなこと聞いていいのかしら?」なんて断りを入れつつ、
頼まれ事をされます。 その度にドキドキするのですが、
『よし、やってやるぞ!!』 とやる気にもさせられるのです。
情報は蓄積していくものですが、反面どんどん変化もしていきます。
時々「え〜〜、聞いてないよぉ」といいたくなる場合もありますが、
今後の良い教訓になると前向きに考えるようにしています。
何事も決して諦めないこと。 難題も、自分の好奇心も、
他人への興味も、変わりゆく情報も。
それが、私がコンシェルジュとしてやっていく上で
大切にしていることの1つです。
簡単な歴史なんぞ盛り込んでお話したいと考えてます。
学生の方から現役の方、そして退職してもなお
この業界に興味がある方と様々かと思います。
私は業界在籍歴わずか7年、とても少ない経験で
こうしてエッセイを書く機会を与えられたのですが、
正直に言うと自分が働きつづける情熱をもち、
そしてこの業界に居続けるとは想像もつかないことでした。
この業界を目指す最初のきっかけは、本当に単純です。
『客室乗務員』への憧れ!! 心を突き動かされる程の
動機もないまま、就職活動を迎えます。
一生懸命考えた志望動機も、今考えるととても
幼稚で恥ずかしい内容ばかりです。
憧れが実現につながるのは稀であることのいい例かも知れません。
ちなみに新卒時は日本を代表する3社を受験し、最終まで
進むことができたのは1社だけ。既卒では日系2社に対し
2次止まり、外資は5社に対し、やはり2次止まりの結果です。
ん〜こうして活字にするとなんとも情けなく恥ずかしい結果ですねえ(苦笑)。
話は前後しますが、一番憧れた職業には縁のなかった私ですが、
新卒時にはなんとか某A社地上職に就職できました。
いわゆるグランドホステスですね。 なんとなく憧れ、
なんとなく就いたとしか言いようのない私ですが、
失敗を幾度となく重ね、ここでの経験が今の自分の基盤となり、
コンシェルジュとしてしっかり目標を持てるほどになりました。
グランドホステスとして約4年間過ごしましたが、入社当初は
はっきりいって問題児だったのではないかと思っています。
不思議なことですが、経験も増えある程度のことは判断できる
ようになると客観的に昔の自分を見つめなおすことができます。
新入社員として1ヶ月の教育を受けるのですが、まず授業のペース
についていけないことに苦しみました。 学校の授業で必ず
ついていけない学生がいると思いますが、それが私です。
のんびり屋の上、理解度も低かったのです。
OJTに入ってからもマイペースな仕事は変わりませんでした。
あの頃は、それでも「私なりに一生懸命頑張っているのよ!!」くらいに
思っていたのでしょう。 そんな自分のことだけで一杯の状況から、
別の視線で仕事ができるようになったのは2年が経ち始めた頃です。
2年も経つと、会社はある程度の業務を担当させてくれます。
一通りの業務の流れがわかるようになると、やるべき仕事の
意味合いが読み取れてくるようになります。
グランドホステスもスチュワーデス同様華やかな業種に
考えられているかと思います。 しかし、実際にはカウンターや
搭乗口にいない間は、事務所でこつこつと内職のごとく
備品の発注/整理やら、団体客の搭乗券の事前チェックイン、
自分達の勤務表作成等などをこなしているのです。
その細かさといったら表現のしようがありません。
ここでは一例しか挙げられませんが、あらゆる雑務をこなし
万全の準備をした上で、お客様を迎えることができるのです。
誰かがどこかで責務を怠れば、そのフォローが必要となってきます。
どんな仕事でもそうかと思いますが、自分ひとりでできる仕事はないのです。
それまでの私はこの重要性がわかっていなかった訳ではありませんが、
どこか真剣身が足りなかったのだと思います。
従業員がたくさんいて、毎日のルーティンを時間割どおりこなしていけば、
その経過が問われることがなくても安穏に過ごすことができます。
そんな環境に、ある意味順応できていたのかもしれません。
いつの頃からか、次第に自己表現したい気持ちにかられてきます。
接客業に就くからには、自分の仕事を認めてもらいたいと思うでしょう。
私は、もっと個人のレベルでお客様との距離を縮めたい気持ちになりました。
航空会社では顧客獲得のためにサービス向上を謳っていますが、
実際にはどこでもどの職員からも同じサービスの提供が行われるような
方針となっています。 間違ってはいないはずですが、実際の現場では
これで苦しむ係員も旅客もいます。
お客様が抱える問題や状況はそれぞれ違うのに、
サービスマニュアルだけでは十分対応できるはずがありません。
社会人としての経験が増えると、目標ややりたいことも変化していきます。
私は自分の考えややりがいを次第にコンシェルジュの仕事に見出すようになりました。
コンシェルジュの仕事も、本当に縁があっていただいたチャンスから生れたものです。
グランドホステスとして4年が過ぎようとしたとき、別の理由でお世話になった
会社を辞めることになりました。 以前より、自分の仕事に対する考えや
やりがいをよく話していた今の上司から、辞めたと同時にコンシェルジュの
仕事のオファーを受けました。
こんなことは滅多にあることではないと思います。
ずいぶん悩みましたが、自分の目指す接客に近づく為お受けしたのです。
現在の職場では、同僚にも恵まれています。
経験も向上心も人並み以上のトド(愛称)さんは、私の一番の理解者です。
コンシェルジュの仕事は、顧客に密接しており堂々と渡り歩くにも、
多くの経験と知識、そしてその人間性が問われると私は日頃から感じています。
それは新入社員の頃のふわふわした存在の私のような者には
務まらないでしょう。 トドさんの意識にはそんなことは微塵も感じ
させないほど、しっかりした仕事に対する意見と情熱を感じます。
いつも刺激を受け向上心を掻き立てられる環境は私にとって、
コンシェルジュの仕事をルーティンにさせない絶好の場です。
これからどういう仕事に就きたいか迷うでしょう。
何がやりたいかわかっている人は、次に何をしておくべきか考えるでしょう。
私は決して順風満帆にここまで来れたわけではありません。
希望の仕事に就くことができないこともありましたし、せっかく就いた
仕事にも真剣に取れないようなこともありました。
でも、試行錯誤しながらも今はとても充実した日々を送っています。
転職はありだと思います。 人は成長します。最初から納得いく仕事に
就ける人もいれば、途中でやりたいことが変わる人もいるべきです。
たいした事は伝えられませんが、このエッセイが皆さんの興味に
少しでも届くといいなと思って書きつづけました。
毎回長々書き綴った私のエッセイを読んでくださった皆さんに大変感謝します。
おわり。
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次回の更新は4月10日の予定です。
お楽しみに!