第141話から第144話までの担当者紹介!


Crew Net をご覧の皆様はじめまして。
ペンネーム「ミケ」と申します。
空港グランドスタッフ(GS)として3年間勤務した後、
現在某国内エアラインの予約センターに勤務しております。
私と似た転職をされた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、
あまり紹介されない予約センターとGSの頃の経験とを合わせて
ご紹介できれば、と考えております。
4週間、よろしくお付き合い下さい。


 

第141話もうひとつの"顔"」 -  22 Jan .2004-


私が実際に予約センターで働き始めるまで、
正直、予約センターについてあまりよく知りませんでした。
抱いていたイメージとしては、「フリーダイヤルの向こうは、
どこかのオフィスビルにある広い広い空間で、何十、何百と
ずらり並んだきれいな(?)お姉さん達の前にある電話の1つにつながり、
飛行機の予約や空席状況・運賃の問い合わせに丁寧に答えてくれる」・・・
といった程度のものでした。

もちろん、その通り(?)だったのですが、GSの経験や知識、
業務中に関わった予約センターの方とのやりとりを経て、
いざ接客最前線に立ってみると、先の漠然としたイメージは
あっという間に吹き飛んでしまいました。
入社するまで知らなかったことや、GSの時には気付かな
かったことが多々あったのです。

今でこそ思うのですが、GSの頃、空港に来るお客様が
初めてエアラインの社員に「会う」のが私達だという意識はありましたが、
それは純粋に“視覚”であって、お客様が空港に来るその日まで幾度も
“聴覚”と“会話”でエアラインに接触しているという実感はあまりありませんでした。
単純に考えても、家族や友人と思い切った休みをとって旅行しようと思ったら、
誰でも納得がいくまで情報収集し、疑問を解消しておこうとします。
さて、その時、てっとり早く答えてくれるのはどこでしょう?
はたまた1回の問い合わせで全てがクリアー=解消されるされるものでしょうか?・・・
こう考えれば、予約以外でもお問い合わせがかなりの数にのぼることが
想像して頂けるのではないでしょうか。 変な公式ですが、想像してみて下さい。
飛行機の便数 x 搭乗人数 x (予約+問い合わせ) = 予約センターにかかる電話の数
(注:しかも1日とは限らず、航空券が買える期間の日にちの分が対象・・・)

このネットをご覧になっている方は、旅慣れた方が多い
のではないかと思いますが、日々電話で応対していると、
大げさでなくまだまだ 「飛行機は初めてなんです」
・・・という方は多いんですよ。
慣れたお客様と慣れていないお客様、両極端化しつつあるのでしょうか。
緊張しながらも電話をかけてきて下さる不慣れなお客様にとっては、
たった1人の声だけでも会社のイメージ・雰囲気を想像するには十分な要素となるでしょう。
お客様の意識では、電話の向こうの人(=エアライン)が出発当日の空港では
制服を着た人(=やっぱりエアライン)として目の前で動くわけです。
もちろん、別人ですが(笑)
こんな風に考えると、GSの頃、「あの時のお客様にはもっと違う応対ができたかも・・・」
なんて思うこともしばしばです。
自分の接客は、いかにお客様の“視覚”に頼ってきたか、ということを痛感させられます。
顔の表情って、本当に素晴らしい・・・!!

声、というのはその場だけで消えてしまうし、録音しない限り証拠も残りません。
声のやりとり、“会話”だけで電話回線を通じてあらゆる問い合わせ・
予約・カードで支払いまで済ませてしまえる予約センターって、
実はちょっとすごくありませんか?

私は多くの部門がある航空業界の中のたった2つを経験しただけにすぎませんが、
航空業界・接客業って本当に奥が深いですね・・・。
来週は業務中のエピソードを交えてご紹介したいと思います。

 



essay@crew-jp.com



 

第142話フリーダイヤル・その先は?-  28 Jan .2004-


今回は、1つのフリーダイアルからオペレーターにつながるまでが、
どういう仕組みになっているかをちょっとご説明したいと思います。
知っているようで知らない、でも気にさえならなければどうでもよい・・・
という、まめ知識です(笑)

国内エアラインの予約センターは主要都市のいくつかにあります。
通常、電話をかけた地域から最寄のセンターに回線がつながる
ようになっています。そして空いているオペレーターに順次流されていきます。
混みあってつながりにくい場合は、他の空いている地域のセンターに
自動的に回され、お客様をお待たせしないで済むように配慮されています。
(しかし、それ以上に混みあい、どこもいっぱい、という時は
 「このままお待ち下さい」メッセージが流れます。
  さらに混みあい、「このまま〜」という予備回線もいっぱいになってしまうと、
 「お掛け直し下さい」というメッセージになる、という仕組みになっています。
  予備回線につながったら待ってみましょう)

私達は極端な場合、いま北海道からのお電話だったかと思うと、
今度は沖縄からのお電話を受けたりするのです。
さらに油断していると、実は国際電話で「アメリカ・ロスからです〜」
なんてさらりとおっしゃるお客様もいらっしゃいます。
オペレーターから見ると、電話の向こうは日本全国津々浦々な地域が広がっているわけです。
(私のイメージでは“ドラえもん”のどこでもドア電話版といった感じです(笑))
地域柄、お客様の人柄が話される口調からも伝わってきます。
ビジネスマンの方はちょっと気忙しい感じで、オフィスのカシャカシャという
音や電車の音、街中の喧騒音が声ごしに聞こえたりしますし、
田舎のご年配のお客様はのんびりと方言で話されたりします。

私の忘れられないお客様ベスト3をあげると、
まず、台風のきている南の離島から
「携帯電話の電波が届くところからかけています〜!!」と、
風はゴウゴウ、木はザワザワ、雨はどしゃ降りの屋外から、
風に飛ばされそうなレポーターのような声でフライト変更の
お電話を下さったお客様。お話中、こちらもハラハラしてしまいました。 

2つ目はご年配の、方言のアクセントの強いお客様。
ゆっくり、一文字一文字確かめながらの予約でした。
お孫さんに会いに行くため、初めて飛行機に乗ることを決心したと
おっしゃっていらっしゃったのが印象的でした。
しかし、この後しばらく、私にもイントネーションが移っておりました・・・。

最後は、お客様が“地域”を痛感された一件。
どういうことかといいますと、私が案内をして一旦電話を切った後、
そのご年配のお客様がどなたか他の方に説明しようとしたところ、
話しているうちに自分でも分からなくなり、私に説明してもらおうと
すぐ折り返しのお電話を下さったのだそうです。
ところが、回線が混みあっていたため私のいる地域につながったようで、
折り返しの電話では他のあちこちのセンターにつながったのだそうです。
ついに地域直通折り返し用の電話番号を他の地域センターで教えてもらい、
さらに他のオペレーターを通してやっとたどり着いたとのことでした。
「すぐかかるかと思ったら、えらい(=すごく)遠い所にかかったからびっくりしたわ〜」
「あっちこっちの人やったからそりゃもうびっくりしたわ」・・・という口調と、
そこまで骨折って下さったのかとちょっと驚き&嬉しかったのを覚えています。

慣れていなくて不安に思われたのだと思いますが、
この最後のお客様こそ“どこでもドア電話版”を最も実感された
方かもしれません・・・。
電話は耳だけを頼りに集中するからか、短い時間で
お客様の人となり、を感じやすい気がします。
たかが電話。されど電話です。
身振り・手振りで伝えられない分、もどかしくなったりもしますが、
声に気持ちをこめて、それが伝わればいいなと日々思っております・・・。

それでは、今日はこの辺りで・・・。

 



 

第143話 「油断大敵(?)」-  5 Feb .2004-


予約センターの朝は空港に負けないくらい早朝から始まります。
GS時代、到着便が予定より早着となり、慌てて到着ゲートに
向かうとき、「こんな時間に全力疾走するのはGSくらいかも・・・」
なんて思ったりしましたが、“気が走る”のは予約センターでも同じです。

座って端末に向かってはいますが、朝の「遅れそうなんです〜!!」
というお客様からの悲痛な訴えの電話が入るのです。
(こういった時間ぎりぎり、飛び込むように手続き・搭乗することをJUMP-INといいます)
お客様の焦った口調に思わず同調してしまい、つい自分も焦ってしまいます。
しかし、そこはぐっと踏みこたえて、チェックインの締め切り時間と、
申し訳ないけれど「待てないんですよ〜」といったことを案内しなくてはなりません。

お客様によっては、「チケットも買っているし、待ってくれたらいいじゃないか!」とか、
「商談が〜!!!」と粘る方もいらっしゃいますが、はっきり言って時間を守って来て
下さったお客様の人数と天秤にかけさせて頂くと、「・・・・申し訳ございませんが。」
・・・の一言に集約されてしまいます。
それがジャンボ機であろうものなら、500人ものお客様が
待たされることになるのですから・・・。

GSの場合、手続きそのものにJUMP-INなお客様とは別に、
手続きは時間に余裕をもってお越しくださっているのに、
いざゲートから搭乗、となると出発5分前になってもお客様が
現れない、という場合があります。 空港には来ていることが
分かっているだけに、時間めいいっぱい捜索が開始されます。
機内確認はもちろん、アナウンスで呼び出し、ゲート付近やシャトル内、
国際線なら免税店からイミグレーションまで、ありとあらゆるところをくまなく捜索します。
運良く見つかれば、係員付きでゲートまで猛烈ダッシュをお願いすることになります。

私は機内捜索がどうも苦手でした。
というのも、すでに搭乗下さっているお客様は、当然「なんだ、どうした、
何が起こった?」 と思われますし、出発時間間近だと思っているところに
焦ったGSが機内にずんずん入っていくと、「遅れるのでは?」と
心配そうにされた顔が、機内に踏み込む自分に向けられるのが
居たたまれなかったからです。
そこに「〜様はいらっしゃいませんか?」というアナウンスがあると、
「おっ、誰かいないらしい。」・・・「遅刻したらしい」・・・「えー、待つの?」・・・と
機内の空気が変わっていくような気がしたものです。
そこに、見つかった方が息を切らせて入っていくのですから、
私としてはもう想像したくない域でございました・・・・。

乗り継ぎがあるのに到着が遅れ、振り替え便も時間的にない、
という時は、やむなく出発を遅らせ、乗り継がれるお客様を
待つといった場合もあります。 このような時はGSが前便到着
ゲートで待ち構え、お客様を1人1人つかまえて把握し、
案内・誘導することがあります。
このような時は、慣れたお客様ほどJUMP-INになる可能性が高くなります。
なまじ、よくご存知なので、「遅れそうだ!」と思うと、独自に早く行こうと
思われるので、係員の案内も耳に入らず、進んで行かれるのです。

係員は最短距離を計算して時間も組んでいるのですが、独自に進まれる
ルートが必ずしも最短ではない場合がありますので、他のお客様は
すでに乗り込まれたのに、先に出たはずのお客様が遠いターミナルで
発見されたり、国際線なら反対のイミグレーションやトランジット
エリア(=乗り継ぎエリア)でうろうろされて結局乗り損ねてしまうことがあるのです。
これはもったいないお話です。

・・・こういう経験があるので、予約センターでも慣れたお客様が
「もうわかっているから」と案内を省略させて下さいますが、内心、
「本当にお願いしますよ〜」と思ってしまう自分がいます。
JUMP-INについては、「飛行機が出発するには単にお客様全員
乗り込んでドアを閉めただけでは出発できません。荷物も載せて、
航空管制塔から許可ももらってやっとボーディングブリッジを
離れられるので、この時間もすべて計算して定刻出発できる便を
待たせるなんて、できません!!」・・・
とは、とても言えないけれど、一度でいいから言ってみたいなーと
思う今日この頃です。

今回は油断大敵(?)というお話でした。


 


 

第144話 「最終章」-  12 Feb .2004-


ついに4週目となりました。
締めくくりはやはり予約センターならでは(?)の
ちょっと変わった問い合わせやGSの変わった
体験をご紹介したいと思います。

予約センターに入ってくる問い合わせは運航や
運賃照会はもちろんですが、荷物・ペットに
ついても多く問い合わせを受けます。
その大半は犬や猫ですが、かわいく「小鳥1羽」から、
「ラブラドール(大型犬)3匹」というツワモノまで多彩です。

最近はペットブームで、ハムスターやウサギ、カメ、
珍しいものではフェレット等、様々な動物を耳にします。
ペットといえば「季節を感じさせるなあ・・・」と
私が思う問い合わせがあります。
主に夏休みですが、お子様からの
「田舎でザリガニ(カブトムシ、クワガタ、サワガニ、ヤドカリ・・・)
を取ったのをもって帰れますか?」という問い合わせです。
田舎を楽しんできた様子が目に浮かぶようで、
ほのぼのとして、自分の子供の頃を思い出させてくれます。

意外と多いのが、「預けたペットは、荷物が流れてくる
ターンテーブルで受け取るの?」という問い合わせです。
初めてペットを連れて行く方が一度は直面する疑問なのだと思います。
お子様の場合、ストレートに聞いてくださるので、何度受けてもかなり楽しいです(笑)
(もちろん、別に運び出されて来ます。ターンテーブルから流れてきて、
ペットが目を回している・・・ということはありません(笑))

GSの時、忘れられないのはお客様がセキュリティチェックで
引っかかった、という連絡が入り、急行したところ、手荷物の中で
うごめくハムスターが発見されたとのことでした。
お客様はなんと機内持ち込みの鞄の中に、紙袋に入った
ハムスターを入れていらっしゃったのでした。
出発まであまり時間もなかったので大変なことだったのですが、
紙袋をカサコソいわせているハムちゃんがX-REYに映ったかと思うと、
思わず笑ってしまいました(笑)
(国際線でしたのでハムちゃんの出国には動物検疫
を通す必要があり、結局お客様は出発をとりやめられました)

他にめずらしい問い合わせでは、ホテルの予約も取れることからか、
「**はどんな観光地がありますか?」といったものや、
「***の舞台の予約もセットになった予約もとれますか?」
といったものもありました。
お客様には、旅行会社さんと同じ認識になっているようです。
マニアックなものになると、「(具体的な便の)いつからいつまでの
実際の出発・到着時間を知りたい」 「この機体のルーティングを教えて」
「*月*日の茶菓子・機内食を教えて」・・・と事細かなものがあります。

最近は国内線で一定の搭乗期間は格安で売り出す航空券がありますが、
飛行機好きな方は「1日で乗れるだけ乗りたいので、この出発空港から
どういった乗り継ぎがいいですか?」と問い合わしてこられる方もいます。
これは私達も即答できかねますし、時間を頂いてお調べしますが、
せっかくの旅行ですから、ご自身で考えて頂いた方がよいのでは・・・
と思ってしまいます。 最低乗り継ぎ時間が定められていますので、
このような点はお問い合わせ頂く方がよいかと思いますが・・・。

乗り物酔いをされる方も、天候・機体の大きさ・揺れの少ない座席
トイレに近い座席は・・・といった切実な問い合わせをされます。
またGSの時の話ですが、揺れ、といえば、一時地震が多い時期がありました。
そろそろ搭乗が始まろうというときに、機体とボーディングブリッジをつなぐ
ランプ(筒のような形の伸び縮みする廊下・・・といえばお分かりでしょうか)
が大きく揺れ始めたことがありました。
可動式なので、「故障では!?」と大騒ぎしていたら、実は地震で、
一旦収まったためそのまま搭乗開始したものの、時々余震のような揺れがあると、
お客様が宙にふわり、ふわりと浮きながらぞろぞろと歩いてこられる様子には、
誠に不謹慎ながら笑いを堪えるのが大変でした(笑)。
乗る前から酔われた方も中にはいらっしゃったようで、これは大変気の毒でした・・・。

とりとめのない終わり方となりましたが、拙いエッセイ(?)を
4週間に渡りご覧下さってありがとうございました。
皆様が予約センターにお電話下さった時、もしかしたら
私がご案内しているかもしれませんね。
その時はどうぞお手柔らかに・・・(笑)
ありがとうございました。

 



essay@crew-jp.com

 





 

 



nagoya
( Photo by (c)Michelle)
 



 

第145話から第148話までの担当者紹介!


皆様、初めまして。
現在、国内エアラインのGSをしております、ペンネームannieと申します。
普段、仕事の中で感じていることなどを交えながらGSについて
色々とご紹介していきたいと思います。
4回のエッセイですが、どうぞ宜しくお願いします。
 

 

第145話 「落し物」-  19 Feb .2004-


私事ですが、今年になって3回も落し物をしました。
一度めはバーゲン会場にてマフラーを落とし、
二度めは電車の駅構内で帽子を落とし、
三度めはバスの中で手袋を落としました。
いづれも、「きっと出てこないだろうなあ」と思いながら問い合わせた
ところ、ちゃんと出てきました。親切に拾って下さった方がいたからです。
マフラーも帽子も手袋も大切にしている物でしたので、見つかった時は
とても嬉しいものでした。

ところで、みなさんは飛行機の中や空港内にて
落し物をしたことがありますか?
どんな落し物があるのかというと・・・今の時期はやっぱり
マフラーや手袋等防寒具、本や雑誌(読み捨てしているのかも?!)、
お土産物、手帳、眼鏡、カメラ、携帯電話、鍵、お財布、などなど。

最近びっくりしたのはコートです。降りたら寒くなかったのでしょうか?
皆さん、飛行機が着いたらすぐに降りたいのは分かりますが、
もうちょっと身の回りの物を確認して欲しいなあ、と思います。
飛行機を降りてすぐに忘れ物に気がついたら、お近くのGSに言って
頂ければすぐに探しに行きますよ。但し、その際には必ずどこから
到着した便か、座席番号、忘れた物をお知らせいただくと、少しでも
早く探すことが出来ます。

では、引き取りのなかった物がどうなるのかをお話しします。
時間が経っても、引き取りがなかった物は番号登録をし、数日間は
空港で保管しています。保管期間内にお客様からお問い合わせの
あった物は空港で引き取りに来ていただける日を確約し、それまで
保管したり、空港にお越しいただけない方には着払いにてお送り
したりしています。また、落し物にお客様の連絡先が記載しているものが
あればこちらから連絡を取ることもあります。

ただ、こちらから連絡を取っていいものかどうか、
とても判断が難しいこともあります。
と、言いますのも、もしかしたらお忍びで飛行機に乗っていて、
こちらが連絡を取ったばかりにお客様に御迷惑をお掛けするとも限らないので。
そう思うとやはりお客様からのお問い合わせが一番いいですね。

また、座席の上にお忘れの物で「おそらくこのお客様の物だろうな」と予測され、
そのお客様にお帰りの予約がある場合には復路の搭乗手続き時に直接お客様に
確認することもあります。それでも引き取りがなかったものは、警察に
持っていき、警察で管理していただきます。
こういう地道な(?)こともGSがしているんですよ。

私共としては出来るだけ落とした物がお客様の手に戻って欲しいと考えています
ので、落とした物は諦めずに問い合わせて下さいね。出来れば、早い方が
出てくる可能性は高いです。また、空港内で落とした場合には「案内所」が
あればそこで問い合わせて頂ければ、と思います。

それでは、次週をお楽しみに!!

 



essay@crew-jp.com


 


 

第146話 「無理は禁物!」-  26 Feb .2004-


飛行機は遠くに移動するのにとても便利な乗り物ですね。
でも飛行機って最近色々割引はあっても結構運賃は高いし、
何があっても予約した便に何とか乗ろうとしますよね。
そこで、今回は何とか乗ろうとした結果・・・、と
GSからの切実なお願い!のお話しをします。

以前私が私用で飛行機に乗ったときのこと。
私の少し前の座席のサラリーマン風の男性が
搭乗した時から気分が悪そうであり、
客室乗務員の方が「大丈夫ですか?」と心配し、
お水やおしぼりを渡していましたが、男性は
「大丈夫です。」と答えていました。

搭乗者が全員そろい、飛行機との連絡橋が離れ、
飛行機が動き出しました。
数メートル下がったところで、暫く飛行機は待機しました。
「管制塔の指示待ちで動かないのかな?」と思っていたら、
その飛行機はスポットに戻りだし、また連絡橋が着きました。
「急病人発生の為に戻った」のでした。

「急病人」とは先ほどの男性でした。
後から聞いた話によると「二日酔いで気持ちが悪かった」とのこと。
定刻に飛行機が動き出したのに、戻って、男性が飛行機から降り、
また動き出したため到着は確か30分以上遅れてしまいました。
到着したら、次の便の乗り継ぎ時間が短くなったお客様がいたようで、
GSの方が懸命にお客様を探し、走って次のゲートに
向かっている光景を目にしました。ドラマみたいな話ですが、
実際私が経験した話です。

国際線なら、日本行きの便が1便しかないから
体調が悪くても何とかして搭乗しようとするかもしれませんが、
国内線なら1日に何便かあるでしょうし、たとえなくても電車や
バスという地上で移動する手段もあるので、
くれぐれも無理しないで欲しいなあと思います。
飛行機って電車やバスと違い、すぐには動かない乗り物なので・・・。
また、乗客の皆さんは色々な事情で飛行機に
乗られているので、出来る限り、定刻に出発、
到着させたいと私たちは願っているのです。

ところで、これは「JUMP−IN」に纏わる話。
搭乗手続きを締め切った後に走ってカウンターに
来るお客様って結構いるんですよね。
その場で手続きをするかしないかは最終的には
出発便をコントロールしている責任者に確認を取るのですが、
搭乗口があまりにも遠くてお客様に走っていただいても
どうにも間に合わないと予想できる場合、
検査場で検査に時間がかかりそうな物を持っている場合、
大きな鞄やペットを連れている場合、小さいお子様連れの場合、
お年寄連の場合れ、搭乗口が近くても、もうほぼお客様が
そろっている時等は責任者に確認を取る前にお断りすることがあります。

飛行機に乗りたくて急いで空港に来ていただけるのは
有難いのですが、搭乗手続きの締め切り時間があるのって
それなりに意味があると思うんですね。
どこの会社も出発の15分前になっているのですが、
飛行機を定時に出発させるには手続きして安全に飛行機に
乗っていただくためには15分は必要だとつくづく感じます。

やはり、15分を切ってお客様に搭乗口まで
走っていただいた結果、途中でつまずいてしまったり、
心拍数が上がってしまったりすることもあるようですし、
お客様だけでなく一緒にご案内した係員が転んでしまうってこともあります。
と言うわけで、「何が何でも飛行機に乗ろう。」って
思わないで欲しいなあ、と思うのであります。

それでは、また次回までお楽しみに!


 


 

第147話 「憩いの空間」-  4 Mar .2004-


空港の中は出発や到着のお客様で常に時は流れ、
ごった返しておりますが、唯一時が止まってしまって
いるような場所があります。−「ラウンジです」

GSってチェックインや搭乗ゲートが主な仕事場と
思われがちですが、ラウンジでの仕事もあるのです。
具体的に何をしているかと言うと・・・
ラウンジに入ってくるお客様のお出迎え・お見送り
飲み物や軽食のサービス、等々。
こう聞くと「客室乗務員みたい。」って思いませんか?
そう思うのは私だけだったりして?!

ラウンジは飛行機の出発時間までくつろいで頂く場所なので、
私たちは「上品に、かつ優雅に」仕事をしています。
私個人としましては、ラウンジの仕事は大好きです。
人によっては、「GSっぽくない!」と言う人もいるんですけどね。
のんびりした性格なので、ゆったりした雰囲気が好きなのです。

ラウンジってどこの航空会社もそうだと思いますが、
そこの航空会社を本当によく利用してマイレッジを沢山獲得している
人達やファーストクラス、ビジネスクラス利用の方くらいしか使えませんよね。
なかなか、ラウンジって入ることがないと思いますのでラウンジの
お客様の様子をこっそりお話します。

ラウンジに来られるお客様は先ほどお話ししたように
だいたい限られていますので、顔なじみの方もいらっしゃいます。
とても感じの良いお客様も沢山いらっしゃいますが、
中には何かとつけてクレームをおっしゃるお客様もいらっしゃるのが現実です。
ですが、カウンターではあれやこれやとクレームをおっしゃる
お客様がなぜかラウンジの中ではとても大人しくされているのです。

ラウンジにいると、カウンターから「○○行き××便で△△様を手続きしました。
座席の件でクレームがありましたので、またラウンジでも言われるかもしれません。
これからラウンジに行かれると思います。」と連絡が入り、
数分後にそのお客様が来られます。
「△△様、いらっしゃいませ。どうぞごゆっくりお過ごし下さい。」
なんて言うとカウンターでのクレームは忘れてしまったのか、
こちらも驚く程、とてもご機嫌で入って行かれます。
そして、搭乗ゲートに向かう時は逆に「有難う。行ってくるね。」
とおっしゃって下さいます。
ラウンジって本当に静かなので、人を落ち着かせるパワー(?)があるのでしょうか。

静かで落ち着くので眠気をそそるのもラウンジです。
ラウンジでゆっくりお休みされているお客様が出発ぎりぎりになっても
搭乗ゲートに来られない、なんてこともあります。
搭乗ゲートのGSから、「△△様、ラウンジにいらっしゃいませんか?
探して下さい。」と連絡が入ります。
そんな時は、ラウンジ内を見渡し、眠っているお客様がいないかを探し、
「○○行きの△△様ではありませんか?飛行機が出発しますよ。」とお声かけを
します。なぜか私たちの見等は当たってしまい、はっと目を覚まされ、
「ごめん、ごめん。起こしてくれて有難う。乗り遅れたら大変だ!」と
おっしゃっていそいそとラウンジを飛び出されます。
ちゃんと飛行機に乗れたので良かったのですが、過去にこんなこともありました。

ラウンジの中にお客様があまりにも多くて、私たちも忙しくて探しきれなくて
お客様が搭乗されないまま飛行機を出発させ、乗り遅れてしまったお客様がいらっしゃいました。
しかも、夜の最終便だったので、空港近くのホテルの空室を探し、
翌日の朝一番の便を手配しました。乗り遅れてしまったお客様はご立腹でした。
「眠り込んでいたのはお客様なのに!私たちのせいにするなんて!」と心の中で
思ったものでした。
ラウンジの居心地が良くても、皆さん、時間を気にしてお過ごし下さいね。

ラウンジ内ではお客様も気軽にお声をかけてこられます。
私もカウンター越しでお客様と接するよりも、ラウンジでお話しする方がより親しみが湧いてきます。
個人的にGSとお友達になりたい方はラウンジで話し掛ければいいのではないのでしょうか。
ただし、お客様が少なくてあまり忙しくなさそうにしている時がいいと思います。

それでは、今回はこの辺りで。次回はいよいよ最終回です。
最後までお付き合い宜しくお願い致します。










第148話 「GSは日々勉強!」-  11 Mar .2004-


Crew Netを御覧の皆様は学生さん、社会人の方、
その中でも航空業界の方・・・等、様々な方がいらっしゃる
と思うのですが、どんな仕事でも仕事をするのに
結構勉強って必要ですよね。

GSの例でお話ししていきますが、一人で仕事をするまで
数ヶ月の時間がかかります。入社して訓練があって、
試験に合格して、OJTがあって、インストラクターから
「一人で仕事をして良い。」と認められて初めて、
一人で仕事ができるわけです。

ここまでの道のりもかなり大変なものであって、
空港のスリーレターを覚え、業界用語を覚え、
一通りの手続きのやり方を学び、運賃やマイレッジプログラム
について教わり、アナウンスの訓練を受け、接遇を指導され・・・
まだまだありますが、割愛したいと思います。

こんな感じで新人訓練を終え、OJTを迎えるわけですが、
「これだけ勉強したのにまだ、勉強することがあるの?」って思うくらい、
OJTで様々なことを経験していきます。
そして一人立ちを認められ、「これでやっと一人立ちだぁ。」
って思っていても、毎日色々なお客様と接するのですから、
訓練やOJTで習わなかった事がたくさん発生してきます。
見たことのない航空券を持ったお客様が来たり、
間違った便を予約したお客様が来て、しかも
その便が満席で座席がご用意できず、怒鳴られたり・・・

またまた色んなミスをして仕事を覚えることもありますね。
私も新人時代は色々なことがあったものです。毎日、勉強の日々でした。
今ではGSになってウン年目で、それなりに先輩・後輩もおりますが、
後輩に聞かれて知らない事もありますし、私が知っていて先輩が知らない事、
なんてこともあります。
こんな私でも、未だに毎日が勉強です。

何をそんなに勉強しているのか、と言いますと・・・
新しいサービス内容、運賃、マイレッジ、キャンペーン、
仕事で使っているコンピューターの新しい機能や操作方法、等々。
サービスについては、メディア等で発表されると、お客様からの
問い合わせが多いのです。
ですので、常に新聞やインターネットはこまめにチェックしています。

先日も新聞で「便名が統一します。」なんていう記事拝見しました。
早速、便名と行き先を覚えないといけないのです。
中にはお客様の方が私達よりも良くご存知の
時がありますので、その時はびっくりしてしまいます。
お恥ずかしい話しですが、お客様から教えていただくこともあるんです。
お客様のニーズにお応えしようとしているせいか、サービス内容も
どんどん変わっていくのです。
その為には広い視野とアンテナ、柔軟な姿勢がないと、
GSの仕事はやっていけませんね。

Crew Netを御覧の方で春からGSの仕事をされる方も
いらっしゃると思いますが、想像以上に1に勉強、2に勉強です。
覚悟した方がいいですよ。 また、学生時代の一夜漬けなんてできませんよ。
仕事をするのに必要な内容ですから。

それでは、たった4回でしたが、お付き合い下さいまして有難うございました。



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