第173話から第176話までの担当者紹介!


みなさま、はじめまして。
外資系エアラインで乗務員をしております、子犬と申します。
昼寝と散歩、そして、おいしいものが大好きです。

この度、光栄にもエッセイ担当の機会をいただきました。
まさか自分がエッセイを担当することになろうとは・・・
不慣れではありますが、読み易くておもしろいエッセイを
書くよう努めてまいりますので最後までお付き合いのほど、
どうぞよろしくお願いいたします!


 

第173話ショービジネス!! -  30  Sep .2004-


あれは忘れもしない入社初日。
これから始まるトレーニングを前に、この日は入社式が行われました。

私たち新入社員は、みんな少し緊張気味。
でも、これから働くこの会社には、どのような人がいて
私たちにどんな話をしてくれるのだろうかと、
ワクワクドキドキしていました。

そこへ、客室部門の代表者が現れ、
「わが社へようこそ!」とスピーチを始めました。
彼は、今にも歌って踊りだしそうな様子です。
見ているこちらが楽しくなるくらいに。
ウエルカムスピーチの開口一番、彼は私達に向かって、
「エアラインのビジネスってなんだと思う??」と問いかけてきました。

あらら。なんだか、いかにも面接で聞かれそうな質問・・・。
「サービス業」、「安全に飛行すること」、「乗客が快適に過ごせるように手伝う」
などなどこれまた、いかにも面接で受け答えしそうな答えを返す私たち。
彼は、私たちの答え一つ一つに、そうだそうだとうなずきながらも、
もう一声!という様子。
そして、私たちから大方の意見が出揃ったところで言った一言。
それは・・・

「エアラインビジネス・・・それは、ショービジネスなのだ!!」

本人曰く、機内設備、照明、装飾、座席、映画や音楽、アメニティ、
機内食などなど全てが「ワン・フライト」というショーを構成するもので
機内でお客様と接するクルーは、まさにエンターテイナーなのだそうです。
その時は「えぇ〜?なんて突拍子もないこと言うのよぉ」と思いましたが
実際に乗務を始めてみると、「なるほどねぇ」と思いあたる部分が多いです。

例えば、漫才で「つかみ」が大事なように、機内でも第一印象は重要です。
飛行機にお客様が搭乗していらっしゃる時に良い印象を与えることが
できたならたいてい、その後はスムーズなフライトになることが
多いような気がします。それに、最近乗客として飛行機に乗ってみて
分かったのですが、観客席から舞台がよく見渡せるのと同じように
座席に座った目線からだと、ちょうど、クルーがよ〜く見えるんですよね。
「なんか疲れてそうだな」とか、「あら、今忙しそう」とか、
「うわーあの人、スッゴイ笑ってる・・・」とか。

例え直接言葉を交わさなくても、クルーの表情や身振りなどから
お客様はいろいろなことを感じているものなのだと実感しました。
ですので、見ているだけでも感じのいい働き方ができれば多少なりとも、
エンターテイナーとして、観客=乗客を楽しませることになるのかもしれません。

私は採用試験を受けては失敗していた頃「エアラインってなんだろう?」
「クルーってなんのためにいるの?」と何度も考えて、自分なりに答えを
探したものです。しかし、ショービジネス&エンターテイナーという表現は、
さすがに思いつきませんでした。

初回に何を書こうか、散々迷ったのですがまずは、
これから採用試験を受ける方に向けて、このショービジネス
という捉え方が何かの参考になればいいなと思い、
この話題について書いてみました。

次回は何を書こうかな。みなさん、楽しみにしていてくださいね!
 

 



essay@crew-jp.com

 


 

第174話ダイエット -  7  Oct .2004-


皆様、こんにちは。
早いもので今年も10月に入りました。
10月は秋。 秋といえば・・・そう、食欲の秋!!!
食いしん坊な私は四季の中で秋が一番好きです。

でもこの時期って、ついつい食べ過ぎてしまうため
いつの間にかウエストがきつくなってしまった、
なんてことにもなりかねません。
そんなわけで、今回はダイエットについて書いてみたいと思います。

キャビンクルーという仕事を続けるには季節を問わず、
睡眠と食欲をコントロールすることが欠かせません。
不規則な生活においては、体内時計が狂いやすいからです。
フライト後はくたくたに疲れて、おなかもぺこぺこ。
例え真夜中であろうと、お風呂に入って食事をしたら、ベッドへ直行!
また、仕事上のストレスを食べることにぶつけて
しまうこともあるでしょうし長時間のフライト中、
眠気をしのぐために食べてしまう、なんてこともあるのです。

そんなフライト生活の中で、私が心がけていることは・・・

 1 絶・機内食 :
     機内食は、高カロリー。
   どうしても食べたいときは、その前後の食事を軽くする。

 2 万歩計をつける :
     機内での仕事は、エクササイズのようなもの。
     消費カロリーを上げるためなら仕事も頑張れる!

 3 歯磨き : 
     機内に歯磨きセットを持参して、
     口さびしくなったら歯を磨く。スチュワーデスは歯が??

とまあ、今までは、この3つだけだったのですが、
今月から新しく始めたことがあります。
それは、食事日記をつけること。

いつ、どこで、どんなものを食べたかを、
体重と一緒に記録するのです。
これは知り合いの栄養士の方に聞いた方法でして
食生活の偏りを認識して、何に気をつけたらよいかを
見直す役に立つそうです。

例えば「糖分を取りすぎてるな」とか、
「油分を控えた方がいいかも」といった具合に。
これがあれば、ステイ先で食事をする時にも、
メニュー選びの参考にできます。

以前、私にとってダイエットといえば、
いかにして体重を減らすかということでした。
しかし、外人クルーと一緒に働くようになった影響からか、
視点が変わり体重よりも、見た目重視になりました。
健康でバランスのとれたスタイルならば、
体重はあまり気にしなくてもいいかな、と思います。

さあ、ナイスバディの同僚を目標に、
ダイエットに取り組むとしますか。
・・・日本の秋の実りを堪能した後にね。





 

第175話飛行機が苦手!という方へ -  14  Oct .2004-


皆さん、お元気ですか?
今年は例年以上に台風が多い年のようで
日本各地に大きな被害をもたらしました。
航空各社でも、欠航便が相次ぐ結果になってしまいましたね。

航空会社にとって、欠航便とは損失の発生を意味しますが
正直なところ、天候が悪い時は誰だって飛びたくないもの。
密かに欠航を歓迎したクルーもいたことでしょう。

これから先は私見なのですが・・・
クルー以上に飛行機の欠航ニュースを見て安堵した人、それは・・・
「飛行機が苦手!!でも、仕事やその他の都合で、
どうしても飛行機に乗らなくてはならないのよ」という
そこのあなた!ではないでしょうか???

みなさんの周りにもいませんか?
安全のしおりを隅々まで読んで、シートベルトをきっちり締めても、
まだまだ安心できない!という人。

今でこそ、私はキャビンクルーとして仕事をしていますが実は、
この仕事を始める前は飛行機が苦手でした。
(「それなら何でクルーを志望したの?」という話はさておいて)
ですので、飛行機が苦手という方には同情せずにおれません。
今回はそんな方に少しでも役立てていただけるようなことを書きたいと思います。


飛行機が苦手!という理由は、人それぞれのようです。
私の場合は幸いにも、恐怖症というほど深刻なものでは
ありませんでしたけれど、乗客として飛行機に乗ると、
なんだか狭い空間に押し込められたような息苦しさを感じたものです。
いわゆる、閉所恐怖症タイプです。
しかし、いざクルーとして乗務を始めると、あちこち歩き回るせいか、
狭いと感じることは少なくてむしろ、「なんて通路が長いの・・・」
と感じることの方が多いような気がします。

このように、閉所恐怖症タイプの方は積極的に機内を歩き
回ってみる事をお勧めします。(ただし、サービス中は着席
していただけると助かります) 国内線など短距離の場合は、
例えば新幹線などと同じように自分の体が収まるスペース
があれば充分なのだと自分に言い聞かせましょう。
そして手荷物を棚にしまって、限りある領土を最大限に
有効活用できるよう工夫してみるとよいと思います。

また、ご存知のように、非常口に近い席をリクエストすれば
足元を広く使用することが可能です。非常口近くの席が、
すでに埋まっている場合でしたら手足を伸ばしてみるだけでも、
息苦しさが和らぐと思います。
窓の外を眺めるのも、よい気分転換になるかもしれません。
「永遠に閉じ込められるわけじゃないんだ。数時間の間、
空の景色を楽しもう」と思ってみてはいかがでしょう?

反対に、高所恐怖症の方は、窓側の席を避けた方がよいでしょうね。
余談ですが、私の知り合いの男性は、新婚旅行の時に
「足が地面についていないと怖い!」と言ってなんと
新妻の隣で怯えていたそうです。
幸い、成田離婚には至らなかったようですが・・・

聞いたところによると、このような恐怖を静めるには、
瞑想が効果的なのだそうです。のどかな田園風景や
美しい海辺など頭にどこか素敵な場所、自分が好きな
場所を思い浮かべて目を閉じて深呼吸(腹式呼吸)をするとよい・・・
とのこと。
高所恐怖症の方が飛行機をご利用なさる場合は
日ごろからこのようなリラックス方法を繰り返し練習し
身につけておくと心強いのではないでしょうか。

リラックス方法を身につけた方は、更に飛行機に乗る前、
発着便の案内を見てみてください。そこに表示されている
全ての飛行機と乗客全員が、既に無事にこの空港に
到着したのだと自分に言い聞かせて搭乗に備えましょう。
飛行機が非常に安全な乗り物であると認識できれば
もう怖いものはありません。

何でも自分で把握しないと不安なのに飛行機に
乗ると何が起こっているのか、さっぱりわからない。
だから飛行機は苦手!という方には
飛行機について知ることをお勧めしたいと思います。

例えば、飛行機はどのように飛ぶのか、
エンジンやブレーキにはいくつバックアップがあるのか、
離着陸時、各々の翼はどのように操縦されるのか・・・
などなど早速今度の休日、近所の図書館にでも行って、
調べてみましょう。基本的な航空学の知識を得ることが、
安心につながると思います。

そして、最後になりましたが飛行機に乗り込んだら、
ぜひ思い切ってクルーに「飛行機がちょっと苦手なんです・・」
と話してみてください。
不安を打ち明けていただければ私たちも天候や飛行の
状況をお伝えするなどしてリラックスしていただけるよう
努力できますから。

エッセイ第3作目を書くにあたり、同僚に
「飛行機が苦手なお客様に、何かいいアドバイスはないかしら?」
と相談したところ、返答は・・・

“Go to the gym, Have a party, and Go crazy.
They can sleep on board without alcohol and medicine.”

それ、ノックアウトってこと?・・・
まったくもう。荒療治なんだから。

 


 

第176話散歩のススメ -  21  Oct .2004-


皆さん、こんにちは。
秋も本番、紅葉の時期をいかがお過ごしですか?

このくらいの気候ですと、どこへ出かけるにもいい季節ですよね。
まさに、行楽シーズン真っ只中!
自己紹介文にも書きましたが、私の趣味は散歩です。
最終回は、散歩について書いてみたいと思います。

日本で勤めていた頃は、よく近くの公園まで散歩をしていました。
同じ道、同じ公園でも、季節によって表情は異なるもので
春は桜を見に、夏は浴衣でお祭りの屋台へ、
秋は落ち葉をカサカサ踏んで、冬は・・
焼いも屋さんを追いかけて歩いたもんです。

フライトで各地を訪れるようになってからは
散歩の範囲もワールドワイドになりましたよ。
1回の行程(TRIP)で夏服と冬服の両方を準備する
なんてことも珍しくありません。

ステイ中に出歩くというのは、私たちクルーにとって
確かにフライトの楽しみのうちの一つではありますけれど
一方で、時差の調節および、次のフライトに備えた
睡眠・休養をとるためにも意外と大切なことだと思いますので
私はステイ中、積極的に散歩をするようにしています。
体内時計をコントロールするには日光に当たって、
適度に運動することが効果的ですからね!

では、ステイ中どんな様子で散歩に出かけるかというと・・・

私の場合、服装はカジュアルなものが多いです。
履き慣れたスニーカー、ズボン、脱ぎ着のできる
上着といったところでしょうか。行き先によっては、
もうちょっとオシャレすることもありますが・・・
まぁ、めったにありません。

出歩く際に欠かせない持ち物といえばお財布にハンカチ、
ポケットティッシュ、外貨計算用の電卓、地図とメモとペン、
カメラ、それから小さく折りたためる袋!・・・
なんで袋かって?それは、買い物をした時
日本のように上質なビニール袋をタダでもらえる
とは限らないからです。
さらに、寒いところならカイロ、
暑いところなら帽子とサングラス。
さあ、これらをコンパクトにまとめて、いざ出発!

主に、どんな場所へ行くかというと
たいていガイドブックを見て目ぼしい
ところからスタートします。
美術館や教会、景色のいい公園などの名所
などなど旅行者の方々と同じですね。
そのうち何回か同じ場所を訪れるようになったら、
その土地のタイムリーな場所をチェック!
ショッピングセール・・も確かにその一つですが
それよりも蚤の市や展覧会、フェスティバルなど、
その時期だけのイベントを見つけるためフライト前、
ステイ先の最新情報を仕入れるようにしています。

そうそう旅行者の方に、ぜひオススメしたいのは、
地元のスーパーを覗いてみること。
大きなショッピングセンターを見た後にでも
立ち寄ってみてください。珍しい野菜や果物、
キッチン用品などその土地の人の生活感を
垣間見ることができてなかなか楽しいですよ。
きっと、手ごろなおみやげなども見つけられると思います。
もしかしたら、機内で会ったクルーに偶然ばったり会う!
なんてハプニングがおこるかもしれません。

散歩をしながら、旅の足跡を収集するのも楽しみの一つです。
例えば、電車の切符や、きれいな色の落ち葉や草花は
地図に挟んで。店先の看板が気に入ったら、カメラに収めます。
私が収集しているもう一つのもの。
それは、はがきです。東京に東京タワーがあるように
どこの土地にも、その土地を象徴するような建築物がありますよね。
それらを写したはがきをコレクションにしています。
デジカメで写せばいいんじゃないの?・・と言われそうですが
自分でシャッターをきるより、はるかに上手く撮れていると思うのです。

自分がステイした土地の記録として何かしら
集めているクルーは結構多いようです。
はがき以外では、ステッカー、マグネット、国旗のバッチ
グラス、マグカップ、切手等々といったところでしょうか。
さて、こうして散歩を終えて部屋に戻ると毎回自然と
言葉が口をついてでます。 「あー楽しかった」
精神的にリフレッシュして、体をゆっくり休めたら
また元気をだして次のフライトへ!レッツゴ−!!
ファイトいっぱーつ!!!

場所や範囲が変わっても、私にとって散歩が心機一転して
「新しく何かを発見」するきっかけになっていることに変わりありません。
日本の社会は大変忙しく、またストレスの多い環境である
場合もあるかと思います。
「リフレッシュしようにも、旅も散歩もする暇がない!」
と行き詰まってしまったときは普段の生活に少し
変化をつけるだけでも心持ちが明るくなるのではないでしょうか。

例えば、朝、いつもより1本早い電車に乗ってみる。
昼休みは、見晴らしのいい場所でお弁当を食べる。
夕方、駅から自宅まで帰る道を変えてみる。
どんな仕事に就いていても、与えられたことを
必死にこなし毎日をただただ過ごすのではなく
一瞬でも気持ちにゆとりを持って季節の変化を
敏感に感じ取ったり日々、新しい発見を積み重ねて
日常の生活に楽しみを見出しながら働いていけたらいいな、
と思います。

なんだか最後の最後で、取り止めもない
文章になってしまいましたが
最後までお付き合い頂いた皆さん、
ありがとうございました。

また、いつかどこかで(機上で?)お目にかかれるといいですね。
See you soon.

 




essay@crew-jp.com

 



 



kii peninsula
( Photo by (c)Michelle )
 


 

第 177話から第180話までの担当者紹介!


はじめまして
国内航空会社でC/Aをしています 紗理奈 と申します。
4回担当させていただきますのでよろしくお願いします。
まだ入社して3年の若輩者ですが、この3年で経験した事や思った事を
おもしろく、楽しく、そしてC/Aを目指している人のやる気になればいいなあ
と思って書いてみたいと思います。


 

第177話C/Aの二泊三日と台風22号-  28 Oct .2004-


まず始めに、このエッセイを書かれる方は外資系の方が多いように思います。
そして、読者の皆様もC/Aになるからには外国をビュンビュン飛んで
いろいろな国にステイして、その土地のものを食べ、買い物をして、
英語や外国語を流暢に話して...。
と思ってませんか?私もそう思ってました。

そして、乗客の皆様もそう思ってるみたいです。
しかし、私は本当に国内しか飛んでいないし、これからも国内しか
飛ばないであろうというドメスティックな会社です。

よく、「仕事はC/Aです。」と言うと
「国内線?国際線?」と聞かれます。10人中9人は聞きます。
「茶道をやってます」と言うと
「表千家?裏千家?」と聞かれるのと同じ位聞かれると思います。
きっとC/Aの仕事のイメージって、外国に行って〜という
イメージなんでしょうね。

そこで、国内しか飛んでない私達はどんなフライトスケジュールで
飛んでいるのかを紹介したいと思います。
お客様の中には一日一便しか乗ってないと思ってる方もいて、
「いやいや、この便はもう4便目なんですよーー。
そうですねえ、今日は朝4時に起きました。」
なんて会話もよくします。

皆様もよくご存知かと思いますが、
仕事が始まる時刻をショウアップ時間(S/U時間)と言います。
それは国内線(うちの会社?)の場合は便の1時間前に設定されています。
そして、仕事が終わる時間はクローズ時間(C/L時間)と言い、
便到着の30分後に設定されています。

だいたい、ショウアップ時間の1時間30分前くらいを
目安に会社に到着するようにしているので
(人によっては30分前くらいに来る人もいますが私は
のんびり屋なので時間を多めにとっています。)
乗務便の出発の3時間半前位には起きる事になります。
am7:00の便だとam3:30には起きる事になります。
そんな時間も頭に入れてスケジュールをご覧ください。

 1日目 S/U 7:40
 東京→高松 8:40-10:00
 高松→東京 10:50-12:00
 東京→鹿児島 13:00-14:40
 C/L 15:10 鹿児島ステイ


 2日目 S/U 7:30
 鹿児島→東京 8:30-9:55
 東京→ 小松 10:50-11:50
 C/L 1 小松ステイ


 3日目 S/U 7:00
 小松→東京 8:00-9:05
 東京→長崎 10:00-11:50
 長崎→東京 12:40-14:20
 C/L 14:50


とこんな感じですが、これは比較的楽な方の2泊3日のパターンです。
便が短いし(長崎は長いですけど)、クローズの時間も早いからです。
でも、こういうクローズの早い時間を利用して、小松では
兼六園に行ったり、市場で海産物を買って実家に送ったりしています。

「色んなところに行けていいねえ」
とよく言われますが、ご覧の通り、朝が早い上に次の日の朝も早いので
地方で遊ぶよりも寝る事が優先されて、一歩もホテルから
外に出ない時もあります。


さて、話は変わりますが、今年は本当によく台風が直撃しますね。
これを書いている今日も台風22号が東海、関東を直撃し
羽田発着の便は100以上の便を欠航していました。

私や私の会社の人もその余波を受け、今日は福岡ー東京間を
1往復半(3便)の予定が最後の1便のみになりました。
私は仕事が減ってラッキーだったなあ、なんて思っていたら
帰る時、羽田空港のロビーでは、ホテルがとれなくて、ソファで横になったり、
地べたに段ボールをひいて横になったり
通行人から見えないように傘をひろげて、目隠しにしたりして、
座り込んでらっしゃっるお客様がたくさんいらっしゃって、
台風とは言え、本当に申し訳なく思いました。

空港で寝苦しい夜をお過ごしのお客様方、どうか風邪をひきませんように。
そして、読者の皆様も自然災害には十分に注意してください。
1回目長くなりましたが、こんなところで終わろうと思います。


 


 

第178話日本の地形 ご案内!-  4  Nov .2004-


こんにちは。紗理奈です。二回目のエッセイです。
今日は、北海道から九州を経由して東京に戻ってきました。
日本縦断は毎日の事です。
夕方、とっても景色が奇麗だったので、その様子をお伝えします。

千歳を離陸して、5分後くらい、うっすらと霧がかかり
西に傾いた太陽がピンク色に雲を染めて、その雲の間から
羊蹄山(ようていざん)が頭を出し、日本昔ばなしのオープニングの
ような景色でした。

羊蹄山は富士山によく似ている事から、北海道の富士山
蝦夷富士(えぞふじ)と呼ばれています。
雲の間から見える山の頂上は本当に富士山そっくりでした。
そのまた少し後、湖の真ん中に島がある屈斜路湖(くっしゃろこ)
が見えます。真ん中にちょうど島があるので◎の形に見えます。

お客様の中には屈斜路湖に観光に行ってきた方もいらっしゃって、
「地上から見るのとくらべて、上空からご覧になるのはいかが
ですか?」 というお話もしたりします。

屈斜路湖を過ぎると今度は函館市が見えてきます。
夜景で有名な函館は上空から見てもとっても奇麗です。
地図でみる地形が実際に見られるのは飛行機ならでは
ですよね。

国際線に比べて、国内線は飛行高度が低いので
地形がよく見えます。
飛行機は大型機になればなるほど飛行高度が高いので
高度が高いと地上が見えにくくなります。
うちの会社は小型機もたくさん保有しているので、
もちろん飛行高度もだいぶ低く飛び、天気の良い日中は
本当に奇麗に日本の地形をご覧いただけます。

私は小学生用の薄っぺらい日本地図を持参していて、
時間のある時はその地図を片手に地点をご案内してさしあげます。
富士山を見るのが楽しみでいつも左側窓側の席を取られるお客様も
いらっしゃるぐらいなので、お客様は景色を楽しみにされている
んだなあといつも思います。

毎日見ていても、日本の地形と景色の美しさ、雲と空が作り出す
青と白のコントラストは飽きませんから、お客様にとっては珍しい
ものですものね。

機内誌の一番後ろのあたりに日本地図がのっているのですが、
大雑把な地形しかわからないので、自分で地図を買いました。
お客様の中には「あの湖は何て言う湖?」
とすかさず聞かれる方もいらっしゃって、よく見ると湖ではなくて
ダムだったりします。さすがにダムまでは把握していないので、
困ってしまう事もあります。

山がたくさん連なる山脈でも同様に「あの山は何て言う山?」
と聞かれても、山がありすぎてわからない事もあります。
「あれは木曽山脈の一つですねえ。」
と言って、なんとか切り抜けます。

C/Aはもちろん、今どこを飛んでいるか把握しているべきなのですが
サービスに没頭するあまり、外を見ていなかったりする時に限って
突然聞かれたりして、「えーーと、ちょっと待ってくださいね、
今は離陸して30分くらいなので、だいたいここらへんでしょうか?
はっきりしたものが見えたらまたご案内しますね」
とごまかしてしまう事もしばしばです。

もっと地点に詳しくなって、お客様を楽しませる事ができるように
勉強が必要ですね。山の高さや特徴、通称なども併せてご案内
できるよう、空のガイドさんを目指して、日々地図とにらめっこを
しています。

読者の皆様も、次回国内線をご利用の際は外をご覧ください。
小さい飛行機で地方を飛ぶ時は狙い時です。
機内誌の一番後ろの方に載ってる地図と併せてお楽しみください。
地図では実感がわかないものも、実際に見てみると記憶にはっきり
残るものですよ。

それから、富士山はやはり高さももちろん、美しさも日本一だと
思います。お客様の中には富士山の山頂は常に雪があるものだと
思ってらっしゃる方もいて、夏場の真っ黒は富士山を見て
驚かれる事もあります。
今年は、富士山頂では、すでに雪の観測がありましたよね。
ますます美しくなる季節です。
どうぞ、お楽しみください。

またまた、長くなってしましました。
このあたりで失礼します。
 


 

第179話裏話!? 恋の話-  10  Nov .2004-


こんにちは。紗理奈です。
だんだん、寒くなってきましたね。社内でも風邪が大流行しています。
台風に引き続き、大地震がおき、臨時便を飛ばしたりして、
会社は断続的に人手が足りない状況です。

さて、いきなりかなりの私事ですが、私は、最近失恋しました。
大好きだった人に振られてしまい、次の日早朝から仕事なのにもかかわらず
ステイ先で大泣きしてしまいました。
だいぶ落ち着きを取り戻したところですが、アテンダントシートに座って
ホッと一息をつくときや寝る前など、ふと思い出して、
悲しくなってしまいます。彼にまつわるいろんなキーワード
(出身地とか好きな歌とか)に遭遇しては、
はあ〜とため息をつくばかりです。

皆さんは、恋愛が仕事に影響するタイプですか?
私生活がどれくらい仕事に影響するかは、人それぞれだと思います。
でも、女の人は特に、恋愛の影響力って大きい気がします。
私は特に大きい方で、恋愛がうまくいってれば、仕事もがんばれるし、
うまくいってなければ、仕事もなんだかやる気がおきない、
うまくいかない、といった感じです。

最近は、まさにそのどん底。
朝早い時なんて(今日とか)、先輩にもろくに挨拶もせず
(感じ悪い後輩って思われただろうなあ。)
同期には「なんかあったの?目腫れてるよ」
なんて言われ、かなりのテンションの低さで仕事を始めました。
早く脱出したいですね。この鬱な気持ちから。


さて、良く聞かれる質問で
「C/Aは合コンばっかりやってるんでしょ?」
と言われます。興味津々に聞いてくるのは修学旅行生。
最近は、飛行機で修学旅行に行くんですね。
小さい飛行機の対面座席になった時は、そんな質問ばかりでした。
「お姉さん、彼氏いるの?」
「合コンとかたくさんあるんですか?」

この手の質問はドラマ「やまとなでしこ」から確実に増えたと
思われます。当時は私はまだ大学生だったので、なんとも言えませんが
おそらくそうでしょう。

実際は、うーーん、やってると言えばやってますね。やっぱり。
なぜかというと、日常的に、男性が全くいない職場なので、
出会いが全くないんです。だから、必然的にコンパが多くなって
しまうんですね。
どこからか、同期がいろいろとネタを持ってきては、
夜な夜な開催されるといったところです。

たまに、芸能人とか、プロスポーツ選手とかそんなのもありますけど、
実際に会うと幻滅することが多く、そして、彼らはやっぱりプライドも
すごく高いので、そのプライドを傷つけないように気を遣っていると
すっごく疲れてしまうんですよね。

でも、やっぱりミーハー精神でそういう飲み会はかなりの
人気で、行きたい人がたくさんいて、自分には回ってこなかったり、
なんて事もあります。私も例に漏れず、ブツブツ言うわりにはかなりの
ミーハーなので元気よく参加します。
先輩に言わせると、今(入社して3年目くらい)が一番、
飲み会するのが多い時期らしいです。

そして、これも先輩に聞いた話ですが、
機内で声をかけてきた男性とは絶対につきあわないように、
と言われました。なぜなら、機内で声をかける男性はそういう
行為を恒常的にやっている事が多く、すでに、先輩の彼氏、、、ということ
もあるからだそうです。先輩ともめるのはかなり避けたいですからね。

ということで、機内での出会いもありません。
ステキだなあ、とときめく事なんて、3年目にして、1回か2回しか
ありません。同期はオヤジ好きなので、某大臣の方がご搭乗された時に
あまりにもジェントルマンでかなり惚れたと言っていました。
国内線は時間も短いので、ふれあう機会も少なくて、これがまた
ロングフライトともなると状況が変わったりするのかもしれませんね。

でも先輩の中には、機内で出会った人と結婚された方もいますし、
清掃業者の方とつきあってる方もいます。
一番多いのはコックピットクルーと結ばれる事ですが、
うちの会社のコックピットクルーは年齢がかなり高めのため、
彼、、、というより、お父さん、人によっては、おじいちゃん
(本人には絶対言えませんが)という感じです。

そんなこんなで、早く私に幸せこないかなあーー。
と思う今日この頃です。
さて、こんなプライベートの私感が入る事ばかり書いてしまいました。
あくまで、私の意見なので、これが全てと思わないでくださいね。
早朝からの仕事のために、かなりのクマと顔色の悪さで
やばいと思ったので、今日は早々と寝る事にします。
おやすみなさい!!

 



 

第180話入社して2年、思う事-  18  Nov .2004-


早いもので最後ですね。
いろいろ、書きたい事があったのですが、実際書いてみると
そんなに書けないものですね。

最後にふさわしく、2年と少しを振り返ってみようと思います。
念願のC/Aになって、楽しい時もつらい時もありました。
お客様にむかつく、という事はほとんどありません。
ただ、会社にいらついたり、先輩が怖すぎて
仕事が嫌になったり、そんな事はしょっちゅうです。

私は威圧的だったり無視する先輩が一番苦手でしょうか。
新人嫌いという人も多く、新人というだけで、やたら怖い人もいます。
私はやっと新人という枠から抜け出したかなと思います。
1年目に比べると随分楽になりました。

怒鳴られたり、泣かされたり、根性はある方だと思っていたのですが、
精神的に不安定な新人という状況で追いつめられてしまって
実家に帰りたいと嘆く日々が1年目でした。

最近、やっと仕事が自分らしくできてきたのか、
先日お褒めの言葉をお客様からいただいて、社内で表彰されました。
やっぱり、自分が評価されるのは嬉しい事ですよね。
ティッシュを頼んだら、嫌な顔をせずにすぐに持ってきて
いただき気が利く方だったとか、話していて癒しになりました、
という内容のお褒めのメールをいただき、本当に当たり前の
事をしただけですが、こうやってお客様の心に届くサービス
というものができたのかなと実感する事ができたのは初めてで
すごく励みになり、嬉しかったです。

さて、そんななかで私が会社に入って
一番よかったと思える事を挙げてみたいと思います。

まず、20人のステキな同期に恵まれた事です。
地元の友達とはひと味違う、同じ給料をもらって、同じだけのストレスや
環境で苦労を分かち合えるのは同期だけだと思います。
もうすでに2人やめてしまったので、会社にいる同期は18人ですが、
今でも誕生日会だの何だのと作っては集まっています。
同期同士での恋の話や、仕事の話、話は尽きないですね。

それから、やっぱり日本といえどもいろいろなところに行ける事でしょうか。
仕事の時は、そんなに時間もないのであまり楽しめませんが
私たちは無料で飛行機に乗る事ができるので、少し休みがあると
同期と沖縄に行ったり、京都に行ったり、旅行を楽しむ事ができます。
これが国際線も乗れるともっと楽しいんでしょうね。

あと、東京ライフですね。
私は就職してから、東京に出てきたので、はじめは地元恋しさに
実家ばかり帰っていましたが、上京して1年くらい経ってから
東京ライフが楽しくなってきました。
夜が長い、街が広い、楽しさの可能性が随分広がった気がします。
それも私が田舎ものゆえかもしれませんが。


そんなこんなで、まだまだC/Aとしてはひよっこの私が偉そうにも
C/Aを目指す方にアドバイスをしたいと思います。

まず、そんなに気負いすぎない事が必要だと思います。
素の自分で、飾りすぎずに、自然な笑顔を心がけてください。

私は、クールな印象みたいで、おとなしそうとかつまんなさそうとか
怒ってるの?とたまに言われる事があります。それって、この仕事を
している上ですごく損をしていると思うんです。
いつもニコニコしていて、楽しそうに見える同期や先輩を参考に
仕事以外でも、常に微笑しているようにしました。
心がける事が大切で、会社の上司や先ほどのお客様のように
自分の意識を理解してくれる人が必ずいるものです。

それから、健康であること。
体力の差が、入社してからの病欠などの差に出てくると痛感しています。
タバコを吸う人は特に注意です。止めろとはいわないので、
その分、人以上に健康に気をつかってください。
過酷な砂漠よりも感想している機内で、肌あれや顔色は
タバコを吸っている人はひときわ悪いと思います。
本人には言えないですからねえ、自己管理が大事です。

あと、切実に思うのは、会社に入ってしまうと
あまり勉強しなくなってしまいます。
目標がなくなってしまったからだと思うのですが、できるだけ
勉強した方がいいですよ。C/Aになりたいという目標があるうちに。
特に英語は、もう少しできたらなあ、と後悔する事も多いので
今更ながら英会話学校に通う予定です。

さて、4回通してほんと、偉そうにしてすみません。
この4回、かなり気のむくままに好き勝手な事を書かせてもらいました。
でも、すっごく楽しかったです。
皆さんも楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、機会があればもっと会社名とかわかるように
つっこんだ話とかしたいなあと思っています。
それでは、みなさんごきげんよう!

 
essay@crew-jp.com





 



kal
( Photo by (c)Michelle )
 




「週刊essay」 新管理人紹介&ご挨拶!


私はこの度、縁あって、「現役外資系FAさん」より、
エッセイ担当を引き継ぐことになました「クッキー」と申します。

私は航空会社を希望し、それもFAを目指す一男子です。
現在は「航空」とは関係のない、また日本ではないところで生活しています。
一希望者の視点、空への思い、そして今後について、四回で語れたらと思います。

私のエッセイ以降も、様々な方の寄稿が目白押しです。
このエッセイ読者の方に、様々な切り口で「空の仕事」を取り出して、
お見せできるよう頑張ります。乞うご期待。

 

第1話 毎日の生活から 〜ホテルマンから教師になるまで〜-  25 Nov .2004-


あと一時間もすれば、教壇に立つ。

学生が一斉にこちらを向き、挨拶をする。
「先生、こんにちは。」
独特の普通話なまりの、日本語である。
そして授業が始まる、教える側として・・・
 
これが、私の日常です。
大学を卒業し、一般企業で3年半働いて、一念発起。
無我夢中で、気がついたら、中国で日本語を教えることになっていました。
「日本語を教えること」自体は、思い付きではありません。
高校時代から、「海外で日本人として役に立てることを」という思いを持ち、
大学で日本語教育のコースを専攻した、ということから、道がつきました。
ただ、これと同様に希望していることもありました。

それは、「飛行機に乗って、サービスの仕事がしたい。」ということです。
その思いがどのようにして起きたのか、どうして大きくなっていったのかは、
次回に譲るとして、今は、その希望もかなえるため、少し中国で自分を磨き、
ある種「寄り道」して、今後構えずにトライしていこうか、という気持ちでいます。
 
前職は、サービス職の花形で、東京の大テーマパークの一角のホテルでした。
鳴り物入りで誕生し、その立ち上げに関わることが出来、なおかつサービスの
基本や考え方を徹底して学べると考え、何社かご縁のあったところの中から決めました。
自分の希望通り、サービスの最前線に配属され、サービスの考え方や基礎を身をも
って学ぶことは出来ました。

しかしとにかく毎日の仕事の量に圧倒され、またオープン当初の
オペレーションにもかなりひっかきまわされて、本当に「忙殺」という
言葉がふさわしい状態になっていきました。
自分のことをじっくり見つめるまもなく、ただただシフトに追っかけられて、
気づいたら時間だけが過ぎていた、という状況が続きました。
こういう状況下では、自分を見失うだけで、先に進んでいけない、と思い、
ちょうどタイミングよく日本語教師の資格も取っていたことから、
多方面にアクセスし、中国での職を見つけたわけです。
 
ホテルで学んだサービスの基本は、なかなか一言では表しにくいのですが、
私なりに噛み砕いて考えると、「お客様につくすこと、報いていくこと。」だと思います。
どんな小さな子供でも、お年を召された方でも、ホテルという同じ屋根の下で過している、
その時間は同じものを共有しているのです。その同じ時間をいかようにも
変えることができるのは、そこにいるサービスを担う人次第なのです。

お客様は常に何かを欲しています。その信号を素早く察知して、
その心に沿うこと、そしてその想像以上のサービスで報いていくことが
重要なのです。この考え方は、機内にも同じように当てはまるはずです。
ホテル以上に、限られていて、さらにお客様に緊張を強いるスペースの中で、
様々な背景をもつ方々が同乗している状態。寛げるスペース、
旅の一ページを形成する場を提供できるのは、やはり、
サービスのプロの仕事だと、私は考えます。
 
今、中国で、日々客観的に自分を見つめることを実践しながら、
この大陸で生活している中国人をはじめとした、さまざまな国・地域の
人々の息づかいや心の動きを観察しています。
そうこうする中で、やはり日本人として、できることは何なのか、
というものの一端が見えてきつつあります。
こうした気持ちを抱えながら、いつか空を飛べる日が来ればいいなぁ、
と思いつつ、市内至る所の工事でスモッグの晴れない空を見上げるのでした。
 
次回は、なぜ自分がこんなにも航空の道を目指したのか、
ということについて書きたいと思います



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第2話 なぜ空を目指すのか〜私の志望の原点〜-  2  Dec .2004-


なぜ自分はこんなに、長い間「空」の仕事を目指し続けているのだろうか。

その原点は高校時代までさかのぼります。

あんなに緊張して、空港にいたのはなぜだろう。
今思うと不思議なくらい、搭乗までの間、落ち着かなかった。
初めての国際線。
私は、東京都の代表として選出され、短期交流事業で
姉妹都市のニューヨークに行くことになっていた。
行く先での不安もさることながら、この飛行機での旅路もまた、
不安と期待が交錯していた。

搭乗のアナウンスにしたがって、順次シートに案内されて、いざ、離陸。
今でもあの時の、なんだか複雑な気持ちを忘れません。
たった2週間の旅路なのに、日本を離れてしまうんだという、
なんともいえない郷愁と、NYでの楽しい日々を思い
浮かべての興奮が入り混じった気持ちです。

その複雑な思いをほぐし、旅立ちを飾ってくださったのは、
その飛行機の客室乗務員の方たちでした。
日本の航空会社でしたけど、外国籍の乗務員もいらして、
勉強された日本語で真剣にサービスに取り組まれてらっしゃる
様子に大変よい印象を持ちました。また長い空の旅の間、
皆さんはチームワークでその仕事をこなされていて、大変強く心に残っています。
その時に受けたサービスの数々が、その後の旅にどんなに作用したか分かりません。

このときの思いは大学に入っても変わりませんでした。
大学では、日本人である自分が社会の中で、世界の中で何ができるのか、
ということを考え、日本語を教えることを専攻にして勉強し始めました。
平行して人と接することの多いアルバイトをこなしていきました。
それらを通じて、人と接することの楽しさ、世界への視点を
より深めていくわけですが、そんななか、インターネットで
航空会社の学生ボランティア募集の記事を発見し、即応募。
運よく参加することができました。

それは、その航空会社が就航しているアジアの都市から
学生を日本に招いて日本人学生と生活をともにしながら
様々な活動をしていくというものでした。
大変意義深く、多くの同年代のアジアの学生達と出会うことができました。
また、翌年は、別のボランティアに参加しました。
それは、航空会社の社員の方々が同じくボランティアで東京に結集し、
全国から招いた子供達と寝食をともにしながら、交流を深めるという内容です。

長い間、その航空会社で続けられているとのことで、私は学生として
その一員に加わりました。喜ぶ子供達の顔に出会えただけでなく、
パイロットや客室乗務員、グランドのスタッフ、本社の社員の方々といった、
普段は全く別のフィールドで働いている方々が、その同じ時間に、
共同して一つのことを作り上げていかれるプロセスを見ることができ、
私の航空会社への憧れを一層強くしていきました。

特に、そのボランティア活動を通して知り合った航空会社の皆さんには、
今でもフライトの話を聞いたりして、様々支えられています。
いつか、この方達と同じフィールドで働ければと思い続けています。
これら二つのボランティアを通して得た感慨から、世界にこの身を置いて、
活躍する客室乗務員に、自分はなるんだ。という強い思いを抱いたわけです。

他の仕事と比べて、飛行機に乗務して得られるものはなんでしょうか。
それはまず、飛ぶたびに新しいお客様と接することができるという新鮮さ、
また多くのお客様の旅の通過点になり、思い出の一ページになれるということです。
また、乗務するたびに、自分が経験を積んでいっていることを実感できることでしょうか。

ここまでは、前職のホテルマンとなんら変わらないと思います。
ホテルと大きく違うところは、働く場所が遥か空の上であり、
舞台が常に高速で移動しているということです。言い換えれば、
ホテルではある一点に集まった方々をサービスの対象として仕事をするのに対し、
空の仕事は点と点をつなぐ線の部分で仕事をしているというところに
大きな違いがあるのではないかと思うのです。

このことで、乗務員は訪れる様々な土地について見識を深めることができ、
人間として、より広い視野でものを見ることができるようになるのではないか、
と考えています。
なかなか理想の、夢物語かもしれませんが、いつか、空を飛びながら、
人間的に飛躍していけるような、そんな舞台に立てる日を望んでやみません。
長々と失礼しました。

次回は、いままでそうした希望を持ってトライしてきた
戦歴について書きたいと思います。

 

 
 

第3話 数々の戦歴から 〜歴史がいまの私をつくる〜-  9  Dec .2004-


私には大切にしている「お守り」があります。

それは、飛行機の形をしたファスナートップです。

以前のエッセイで、航空会社でボランティアをしたことを
書きましたが、その際に知り合った方からいただきました。
その方は女性ですが、私のお姉さんのような存在で、
いつも私が航空会社受験でつまずいている、時、励ましてくださり、
どんなに心強かったかしれません。

一度などは、普通に会話している途中で、
急に真面目な顔になり、面と向かって、
「あなたの人間性は、私が一番評価しているから、
大丈夫、頑張って受けてきて!」
といってもらい、涙がでるほどうれしく、いまだに深く心に残っています。

私は、これまで数多くの航空会社を受験してきました。
もちろん、国内系・外資系問わず、与えられたチャンスには、
躊躇せずトライしてきました。その中で体験してきた出来事と、
そこから学んだことについて、今回は少し書きたいと思います。


= 国内系の客室乗務員試験 =

書類審査は、大学在学時はなかなか通過もできませんでしたが、
就職活動時から前職在職時は大体出せば八割方通るような
状況が続きました。これに関しては、あまり心配することはなかったです。
前職在職時は、サービス業であることを前面に出して、全身写真も
勤務時の状態を写した物だったので、受けがよかったのかもしれません。
あくまで私の分析ですが。

面接試験では、会場に到着して数えると、いつもだいたい
私を含め両手で数え切れるほどしか男性受験者がいない状況です。
一度など、会場には百人近くいるであろう状況の中、私一人だけが
男性ということもありました。赤、白、黄色と、カラースーツを身にまとい、
高々とシニオンされ、かなり気合の入ったメイクの女性達の中に、
ぽつんと置かれた状況。

今は笑って話せることですが、いざその現場にいたときは
大変乾いた空気だったことを覚えています。
ただ、私は男性として、他の女性受験者を盛り上げたり、
励ましたりということができたと自負しています。
国内系Y社の受験の際も、カチカチになっている同じグループの
女性達を励まし、笑わせ、その中で自然と自分もリラックスして、
面接にスムーズに臨めました。

だめでもともとで受けた会社でしたが、
なんと一次に合格、二次まで進めたという快挙を果たしました。
試験会場の男性受験者は女性受験者から、大変好奇の目で
見られますが、もっと自然に話しかけられるのをまっています。
もしよかったら、次の受験の際、思い切って、声をかけてみてください。
きっと、皆さんの受験にもプラスになるはずです。。。

男性クルーが某誌の表紙を飾るような航空会社では、
やはり受験者にも男性は多く、それはそれで、また違う空気だったりしました。
国内系X社の面接試験などは、試験室に入った4人全員男性ということもありました。
こうなると一般企業の受験となんら変わりはないような感じなのですが、
やはり面接官のチェックは上から下まで相当厳しかったです。
一般企業であんなに見られたことはないと思います。

やはり見た感じや、雰囲気重視なのはサービス要員である以上、
致し方ない気がしますが。
国内系で総じていえることは、やはり誰がなんと言おうと、
男性には門を狭くしているということです。よく航空会社は
「男性の志願者が相当少なかったので・・・」というコメントをしますが、
望みの薄いところにトライしていく勇猛心のようなものを、誰もが
持っているわけではありません。

特に仕事をしながら、ひたすらチャンスを待っている社会人にとって、
書類を作るのもはっきり言って手間なわけで、ただでさえ展望の
開けない状況のものに時間を割くのはもったいないというのが、
一般的な考え方だと思うのです。
あまり感情的にならないようにはしていますが、
でも現状では、まず国内のさまざまな地域を結ぶように
飛びまわることは難しいといえるのではないかと、思わざるをえません。


= 外資系の客室乗務員試験 =

外資系航空会社のクルーを受験したのは、このクルーネットの
外資系転換講座を受けてからです。 「外資」となった途端に、
私の自信とか気持ちとかが一気に小さくなって、三歩も四歩も
後ろに下がってしまいます。きっとコンプレックスだと思いますが、
外資系転換講座を受けてから、前向きになりました。

書類は、いまだに苦戦しています。カバーレターと英文履歴書、
どちらもしっか〜り英語で書き上げなきゃいけないわけで、
苦労が絶えません。ただ、そこには一縷の望みがある、
ということだけが英語の拙い私の原動力になっていると思います。
頑張ったら、クルーになれる可能性があるのです、外資系には。

ただ一部の外資系は、国内系と同じく男性には門戸を閉ざしていますが、
そういう会社は本国の雇用や就業スタイルがかなり影響している
のですから、いくら頑張っても状況を変えることは難しいと思います。
私たちが変える!と声高に訴えても、その国で培われたスタイルは
一朝一夕には変えられないと思います。
そこに力を注いで、長い年月を無為に過ごすより、可能性の高い
会社に全精力を傾けるほうが十分得策だと思います。

さて、そんな中で、ある時外資系Z社から面接のお誘いがありました。
一次から英語面接とのこと。
生まれてこの方、こんなに緊張したことはないのではないかと
思うほど、大緊張して望んだのを覚えています。
英検二次試験を受験した中学生の頃、胃と腸が三回転半くらい
ねじれてるんじゃないかというほど緊張しましたが、その状況に
よく似ていたように思います。

案の定、口はパクパク状態で、不合格。
もう穴があったら、さらに掘って、うずまりたい気持ちでした。
試験会場は国内系の受験時とは全く違う感じでした。
とても落ち着いた雰囲気が感じられました。
また男性受験者もちらほらいて、呆気にとられるほど男性のいない
国内系のそれとは違う感じでした。
自分はそういうなんともいえない大人な雰囲気が好きでした。

さて、こうして10社近く受けてきて、得たものは何か。
つきなみですが、「自分の再確認」 ということです。
いま、自分は航空会社に入る為、受験する自信につなげる為に、
何をすべきか、何が足りないのか、ということを、
よく考えられるようになりました。

ここで、「今の私にどうしても越えられない壁」を告白します。
 "語学力と身長" です。
英語面接と聞いただけで、カチンコチンになってしまう、
今の自分では、果たして運よく入社しても、教育についていけるでしょうか?
一緒に働く各国からの同期や先輩方とチームワークのフライトを
こなすことができるでしょうか?・・・残念ながら答えはNOです。

とにかく、外国人とコミュニケーションする機会が圧倒的に
足りなかったんだと痛感して、いま自分の身を海外に移してみました。
ここで生きていく為には、コミュニケーションできるだけの語学が必要です。
特に語彙が重要で、語彙さえあれば結構文法めちゃくちゃでもいけるもの
です。まだまだですが、最近なんだか度胸はついてきている気がします。

身長に関しては、幼少の頃からたゆまぬ努力をしてきました。
意味もなくはねてみたり、牛乳と煮干をセットで食べてみたり、
マッサージに通ってみたり・・・でも、効果はどれもいまひとつでした。
よく「その身体を上回るだけのパーソナリティーを」と書かれていますが、
「低身長+男性」という状況はキビシイ現実を更にキビシくしています。
残念ですが、試験会場ではパーソナリティーまで見てくれる試験官多くありません。
国内系W社の受験で今でも心に残っている面接官の一言が、
最後の質問というときに私に言われたもので、

「くっきーさん、身長おいくつですか?」

・・・ああ、終わったな〜と思いました。
履歴書に書いてるから読んでくれ!って思うのですが、
わざわざ聞かれるってことは見るからに低いと感じたのでしょう。
その日は帰ってもブルーでした。

しかし壁は越える為にあります。
「あ、壁がある。」 だけで私は終わりません。
そういう人間です。私は前回までのエッセイの通り、クルーへの憧れだけでなく、
自分の中にクルーになって飛んでいる自分の生活を具体的に描けています。
現実化できている自分がある以上、きっと明日はあると信じています。

そんな信念の強さを、前述のお姉さんクルーは見抜いてくださって
るのではないかと思います。いつか、そのお姉さんクルーと成田で対面することが、
私のお姉さんへの恩返しだと思って、これからも頑張るつもりです。

次回は最終回、これまで書いてきたことを総合して、
今後について書きたいと思います。




 

第4話 これからの目標 〜私が空を飛ぶために〜-  16  Dec .2004-


私の中に、数値目標があります。
それは「30」。
私は、現在20代後半。30歳までにある程度、夢を形にしたいと思っています。
この目標は就職活動の頃から持っていました。

空を飛ぶ仕事を目指すうえで、自分に足りないことを認識し、
具体的に行動し、そして夢を現実のものにする・・・。
人生は一度しかないですから、一度描いた夢を達成する為に、
計画を立て、どんな努力をいつまでにしないといけないのかということを、
考えるべきだと思います。

前回のエッセイで、私に足りないものは何か書きました。
その一つ「語学力=コミュニケーション能力」を高める為に、現在海外で
暮らしながら、せっせと学んでいます。これもある程度、計画のうちです。
ここでものにするかどうかは、私自身の努力にかかっています。
常にゴールを見据えながら、たえず頑張っています。

もちろん、こうした足りないものを補う努力だけでなく、
夢を補強する営みも大切です。
それは、実際に飛行機に乗って、旅すること。
これは趣味と実益を兼ねていますが、現場を観察することは、仕事をイメージでき、
面接で選ばれる為に、またひいては実際仕事をしていく上で、自分がクルーとして
どうあるべきか、ということを考える材料になると思うのです。

私は、前職の現場で常々、「ホテルのサービスマンを演じきれ。」と先輩や上司に
教えられてきました。お客様は常に私たちをホテルのサービスマンとして期待の
まなざしをもってみられています。徹頭徹尾「ホテルのサービスマン」であり続ける
ことが、お客様の要望を満たすことなのです。

おのずとホテルのサービスマンとはどうあるべきか考えながら業務にあたりました。
そして常にベストのサービスを提供するよう努めてきました。
客室乗務員も同じだと考えます。常にお客様は多かれ少なかれ、ある種の
期待感を持って接してこられると思います。そこにフィットするよう、適切な
サービスをする為に、まず自分が客室乗務員だったらどうあるべきだろうか、
というイメージを飛行機を利用する中で描くのは大切だと考えています。
・・・と、こう自分に理由をつけては、旅しているわけですが。 笑

さて、クルーになるための努力目標はこの辺にして、
メンタル面でかなえたいことがあります。
それは、男性客室乗務員のネットワークを作りたい、ということです。
いままでのエッセイで書いてきましたが、やはりこの世界は、
サービス部門に関して、女性の方が就職に有利だといわざるをえません。
オトコとして航空会社受験を繰り返していくことの大変さを相談しあえたりする
仲間があることが、何よりの力になるのではないかと思うわけです。

また私のように希望と計画を胸に、多くの方が海外に出られていると思います。
そして、多くの方が現地で採用されたり、帰国してチャンスをつかまれていることと思います。
クルーネットの場などを活用して、もっと多くの男性志望者と交流できたらと考えています。
同じ気持ちをもたれている方がいれば、ご連絡ください。一緒に頑張りましょう!
また、このエッセイをとおし、実際に多くの先輩方から話を聞くことで、旅をしてい
ないときも、仕事のイメージを作りたい、と考えています。

最後になりました。
4回にわたって、一志望者の勝手な思い込み(?)を書き連ねてきました。
個人的にはまだまだ書き足りない感じですし、あまり練れてなかったため、
面白みのない、味気ないものだったかもしれません。。。
読んでくださった皆様に感謝します。ありがとうございます。
このエッセイを通して、多くの方と交流できることを楽しみにしています。
では、またお会いしましょう。




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次回の更新は、2005年は1月6日からとなります。

来年もたくさんの方がエッセイを書いて皆さんにお届けします。
乞うご期待です。

それでは、素敵なクリスマスと、よいお年をお迎えください!

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