= 第48話から第51話までの担当クルー紹介 =


皆様、あけましておめでとうございます。
国内系現役のごんと申します。
エッセイを担当するのは2回目です。
去年は辛い事件があり、厳しい時代になりましたが、
回復に向けてがんばっていきましょう。


 

第48話 ふたつの出会い -  10 Jan.2002-


わたしも乗務を始めて、6年になりました。
最初はすべてが新鮮で、毎回のフライトが楽しかった!
機内でたくさんのお客さんに出会い、
ステイ先ではいろいろと食べたり、遊んだり、見たり。

でも6年も経つと、新鮮さを感じることは少なくなりました。
仕事もそこそこできる。
ステイ先での過ごし方もほぼ一緒。
あんなに好きだったはずのお客さん
との会話も、あまりしなくなりました。
そして、社内では中堅どころです。
のほほんと遊んでいるだけにはいきません。
後輩指導、クルーのまとめ役、上司とのつながり・・・。
楽しいフライトだけの仕事に、責任がついて回るようになりました。

「なんか、楽しくないなぁ。」
ここ半年くらい、わたしはそう思うようになっていました。
転職しようかな?でも他にやりたい仕事がない。
辞めちゃおうかな?でも楽しいこともまだまだあるかもしれない。
そんなことを漠然と考えていたわたしに
「もう少しがんばってみよう。」
と思わせてくれたふたりとの出会いのことを書きたいと思います。

『TGクルー』
私用でTGを利用した時のこと。
その便はがらがらで、250席中20人
程度しか搭乗していませんでした。

食後の眠りから覚めると、クルーが話しかけてきました。
「よくお休みでしたね。お飲み物は?」
なんていいタイミングなんだろう、と感心していたところ、
彼は飲み物と一緒におもちゃを持ってきてくれました。
「もう映画開始から1時間経ってしまったから。
お絵かき帳とルービックキューブだよ。はい。」
そのユーモアと心遣いに感動しました。
会話の中でわたしもクルーだと明かすと、
今度はビジネスクラスの食べ物やら
飲み物やらをたくさん持ってきてくれて
それらをつまみつつお互いの会社の話、仕事の話・・・。
とても楽しい時間が過ごせました。

着陸間際、今日は本当に楽しかった、
と彼に改めて伝えました。
そして彼が言った言葉――
「それが僕たちの仕事だから。」

わたしははっとしました。
最近のわたしが見失っていた、
「楽しんでもらう」、「おもてなし」
というものを見せつけられた気がしました。
クルーはこうでなくちゃ!
わたしもこうやってがんばろう。
そう思いました。



次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)


 

第49話 ふたつの出会い その2」 -  17 Jan.2002-


わたしには、憧れている女性がいます。
彼女はテレビ番組のディレクターをしています。
男性中心の世界で、たくましく仕事をする彼女をうらやましく思っていました。
夜遅くまで黙々と編集している後ろ姿を見ては
「かっこいーー」
彼女の作った番組を見ては
「すごーい!」

わたしにとって彼女の何がうらやましいのか。
「自分にしかできない仕事を持っている」
からです。

だって、クルーの仕事は、誰にでもできるじゃない。
病気で休んだり、スケジュールが乱れて、予定の便に乗務ができなくなっても
代わりのクルーが入って、人数が足りれば飛行機は飛ぶんだから。
そう思い始め、 「自分にしかできない何か」がないわたしには
彼女がうらやましく映ったのです。

先日、彼女とゆっくりお話できる機会がありました。
彼女に以上のことを伝えると、
何言ってるの。スチュワーデスの方がよっぽどいいにきまってるでしょー。
と取り合ってくれません。
それでもなお「うらやましい」を連発するわたし。
そんなわたしに彼女が言った言葉―――
「わたし、飛行機が大好きなの!
飲み物いっぱい飲めるし、ごはんも自動的に出てきて、下げてくれるでしょ。
旅行先に着く前からうれしいのよねー。
その”楽しいこと”のすき間を、スチュワーデスさんの笑顔で埋めてくれたら、
もっと、もっとうれしくなっちゃうな。」

こんなにストレートに「飛行機が好き」、と言ってもらったことはなかったので、
とってもうれしかった。
そして気付きました。
「自分にしかできない何か」を
「わたしにしか出せない笑顔でフライトする」ってことにしたら・・・!

今はもう飛行機に慣れてしまった為、
わたしは機内サービスを仕事のひとつとしかとれなくなっていました。
普段あまり飛行機に乗る機会がない人たちにとって、
機内で過ごす時間は珍しく、楽しいひとときかもしれません。
わたしもそうでした。 
機内食を食べたり、窓からの景色を楽しんだり。
彼女を始め、飛行機に乗ってくるお客さんみんなが
「クルーの笑顔」も楽しみにしてもらいたい、
とふと思ったのでした。

こうしたふたりとの出会いがあって、
今まだわたしはフライトしています。
6年間ですっかり薄れた”初心”が戻ってきたような気がします。
また初心が薄れた頃、このエッセイを読み返してみようと思います。



次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)



 

第50話 占い師 -  24 Jan.2002-


先日、台北線を乗務した時のこと。
ミールサービス中、わたしを見つめる熱い視線が・・・
視線の先はおじいさん、おばあさんの団体でした。
その中の仙人のようなおじいさんに話しかけられました。
「あなた、日本の方?」(じーっと見つめられる)
「はい、そうです。」
「中国語はしゃべれるの?」(じーっと見つめられる)
「わかりません。」
「そう。」(じーっと見つめられる)
「なんでしょうか・・・?」

おじいさんは日本語混じりの英語で話を続けました。
「あなたね、いい顔してる!お金持ちになって幸せになれるよ。」
同じツアーのおじいさん、おばあさんもうなずいています。
「顔の形、おでこの広さ、どれをとってもいいねぇ。知的な相が出てるね。」

ミールカートが止まっているのを見た台湾人クルーがヘルプに来ました。
「どうしたの?」
「おじいさんが占いしてくれてるの。
 わたし、機内で占いしてもらうのなんて初めて。」
「わたしもないわ。(笑)」

おじいさんはわたしの顔がいかにいい相なのかを
彼女に説明し、通訳をお願いしていました。
「手を見せてごらん。」
いいことばかり言われて次はどんなことを言われるのかと
期待しながら手を見せると、
「結婚して幸せになれるね。子供は男の子二人だ。」
女の子が欲しいわたしは、ここでちょっとガッカリ××

もっとお話を聞きたかったのですが、
ミールサービス中で、ここで止まるわけにいかなかったので、
泣く泣く?サービスを進めることにしました。

その後、ホットドリンク、トレーの回収と
何度もおじいさんの近くを通りましたが、その度に
「とにかく、幸せになれるよ。」
いいことばかり言われてうきうきでした。

でも、気付けばおじいさんのトレーの上にはビールの空き缶がふたつ。
グラスもどうやら赤ワインが注がれた様子。
・・・もしや、酔っ払い・・・?

でもこんなにうれしく、幸せな気分になれたので良しとしましょう。
ありがとう、おじいさん。
本当に幸せになれたらいいな。



次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)



 

第51話 至福のひととき -  31 Jan.2002-


長距離のフライトではよくお客様に、
「12時間ずっと立ってて大変だねー。」と言われます。
しかし体力自慢のFAといえども、さすがにそれは無理ですので、
乗務員も休みを取っています。

お食事のサービス、免税品販売が終了して、一段落。
キャビンは暗く、映画が上映されています。

その辺りから数時間、FAが少なくなった気がしませんか?
そうです。
そんな時間にわたしたちは休憩を取っているのです。

映画上映中の暗い中、よく目を凝らして見てみると、
小さなバッグを持って、何人ものFAがいそいそと後方に、
またはカーテンの向こうに消えて行きます。

機種によって違いますが、
ある時は屋根裏で、またある時は床下で、(なんて言い方でしょう(^^;)
わたしたちは寝ております。
初めて入った時は”秘密基地”と思い、わくわくしてしまったものです。
8床ほどのベッドがあって、横になって眠ることができます。
シーツと毛布でベッドメイクして、「おやすみなさーい」
2〜3時間眠れます。
突然揺れてもいいように、ベルトもきちんと締めています。

休憩前の準備は人それぞれですが、わたしは
足にむくみ取りのスプレーをして、自己流指圧マッサージをする、
シニヨンをほどく、ハンドクリームをたっぷりぬる、
頭からシーツをかぶって(マスク代わり?)
ぐっすり寝てしまいます。
まさに至福のひととき☆

時間になったらまた、しっかりメイク直しをして、シニヨンもしっかり整えて、
気分一新!キャビンに戻ります。

暗い中キャビン後方、またはカーテンの陰に消えるFAは
どうかお見逃しを・・・。
休憩用グッズの入ったバッグが目印です。
彼、彼女達は今まさに「至福のひととき」を迎えようとしているのですから!

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皆様、私のエッセイを読んでくださって
どうもありがとうございました。
前回エッセイを担当して以来、
これはツカエル!と思うものを密かにストックしています。
わたしとご一緒のお客様は要注意ですね。(笑)

ご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。

ごん




gonhamu@hotmail.com



 



 



kix
( Photo by (c)Chiaki )

 




 

= 第52話から第55話までの担当クルー紹介 =


はじめまして。外資系現役クルーの "よ。" です。
今回から4週間にわたってエッセイを担当しますので、
どうぞお付き合いください。
去年は悲しい事件が続きましたが、
今年は明るい話題が多い年になるといいですね。



 

第52話 "初フライト" その1 -  7 Feb.2002 -



クルーになって、10ヶ月が過ぎました。 
今まで、楽しいこと、辛いことがたくさんありました。 
中でも、緊張のうちに終わってしまうのが”初フライト”です。

トレーニングを終えて、間もない自分たちがお客様のサービスをするのです。
頭の中で、”笑顔を絶やさない”とか、”お客様の気持ちになって・・・”
なんて思っていたのに、いざお客様を目の前にすると、
”努力して” にこにこしているつもりが、顔が徐々に硬直していくのが
自分でもよくわかるほど、緊張していたことを覚えています。

僕の初フライトは、香港/ソウル/香港のターン・アラウンド(予定)でした。
通常、香港からソウルまでは、片道3時間15分前後で行くことができます。
それをなんと、いろいろなアクシデントが重なり、片道13時間かけてたどり着くと
いう、 前代未聞の初フライトをする羽目になったのです。

まず始めに、フライト自体がお客様が見つからずに、40分ほど遅れていました。
最後のお客様を無事に見つけて、いざソウルへ!・・・
飛行機は、もう滑走路の手前で離陸の順番待ちをしています。 

そこで、機長のアナウンス。 
”最後に来たお客様が、パスポートをターミナル内で
 失った様なので、ターミナルに戻ります・・・・。” と。

ちなみに、香港人は出国する際にパスポートを見せるのではなく、
IDカードを見せるだけでOKなのです。
チェックイン時には、もちろんグランドスタッフがパスポートで
本人確認をするため、万一、忘れたりしたなら、チェックインできません。 
最後に来たお客様は、夢中でゲートまで走ってきて、
手に持ったはずのパスポートをどこかに落としてきてしまったようなのです。
そのため、飛行機はターミナルに戻るため、
ランウェー上をゆっくりとしたスピードで走ってターミナルに戻りました。 

さて、ターミナルに戻ったのはいいんですが、いったんは出発した飛行機です。
 もうすでにほかの飛行機がスポットにいたため、
ほかの飛行機が出るまで30分ほど待機。
やっと、スポットが開いてパーキングへ。 
例のお客様のバゲージをコンテナから降ろして、
またコンテナを載せるのに30分の待ち時間。 
最悪なことに空港上空が込み始め、管制塔からの出発許可が下りません。
40分ほど待って、やっと出発許可が下りました。 

飛行機はトーイングカーの押されて、ゆっくりとプッシュバックを開始しました。
”スチュワーデス物語”ならぬ、”スチュワード物語”の始まりです。
僕を乗せた飛行機は、エンジン音を次第に上げて、無事に離陸。 
一路、ソウルに向かいました。

離陸後は、何事もなくサービスも順調に進み、
3時間後には予定どうりに、ソウル・インチョン国際空港へ向けて
次第に高度を下げ始めました。
機長からクルーは席に付けとの指示があり、
そそくさと自分の席につきました。

飛行機はがたがたと小刻みに揺れはじめました。 まもなく着陸です。 
なんとなく、エアバスのクルー・シート横の小さな窓から外を見ると、
まだ周りは真っ白です。
随分前にランディング・ギアを出す音を聞いています。 
どうなってるのかと考えていたところ、”ドン”という鈍い衝撃がありました。
着陸するや否や、飛行機は再びエンジン音を上げ、一気に上昇しはじめました。
当然、もう頭の中はパニックです。 何がどうして、どうなったのかさっぱりわかりません。
 フライト・パーサーにどうなったのか聞くと、”9年飛んでいるけど、
初めてだから わからない!”という返事。

”おいおい、僕はこれが初フライトでこれなんだぞ!” 
そんなこんなで、いつのまにか飛行機は、雲の上を旋回していました。 
40分くらい上空で旋回したあとに、また機長からのアナウンス。
”もう燃料が残り少なくなってきたので・・・・” 
もう頭の中は★☆●○という状態でした。 まだ機長のアナウンスは続いています。

”ソウルに降りられる見込みは当分ないから、
 給油のために福岡にダイバードします”

”福岡? って、九州の福岡?”

※用語説明 
ターン・アラウンド:往復便,ランウェイ:滑走路,スポット:航空機とターミナルをつなぐ搭乗口,
ランディングギア:離陸と着陸用の車輪,ダイバート:(進路、用途等を)変更する、そらす。



次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)




 

第53話 "初フライト" その2 -  14 Feb.2002-




1時間20分後に、飛行機は無事、福岡空港に到着しました。 
到着後、お客様からの苦情の嵐・・・・。
”タバコを吸いたい・・・” ”ここで降ろせ!”
”お腹がすいた!” などなど・・・。
もちろん、タバコの件と飛行機を降りる件は、もちろんできないので、
お客様には丁寧に謝り、勘弁していただきました。 

さて、問題は食事。
もともと、香港/ソウルのミールの回数は1回。余分には搭載していません。 
それに、福岡はダイバージョンで行っているだけなの
で、何もUP LIFTができません。 

僕たちが食べる予定の、Crew Meal が人数分と、
昼食用で使ったパンの残り、カートやコンパートにある
スナックやクッキー類のみ。 
ソフトドリンクやジュースはまったくありません。
手元にあるのは、水、コーヒー、お茶が残っているのみ。 
できるだけ多くの食べ物と飲み物を、機内から集め始めました。

もちろん全員にいく分はありません。 
僕たちの食べる分のCrew Mealまで提供しました。
食べ物もなく、飲み物もないつらい時間が、ゆっくりと過ぎてゆきました。
2時間がすぎ、機長からのアナウンス。

”霧が晴れ始めた様なので、もう一度ソウルに戻ります。 
ただし、状況を見て着陸するかを判断します。”

2時間半後、ようやくソウルに行くことになりました。 
休みなしで働いている僕たちはもうヘロヘロです。
やっとの思いで気合を入れなおし、離陸の準備に取り掛かりました。 
出発の準備がすべて整い、プッシュ・バック。
飛行機は、もときた道をソウルに向けて飛び立ちました。

1時間30分後にソウルに到着。 飛行機は無事にスポット・イン。
お客様をお見送りしているさなか、僕が担当していたエリアのお客様が
飛行機の中をぐるぐると歩き回っていました。 何か忘れ物かなと思い、
声をかけようとしようとした瞬間、お客様がこちらにすごい勢いで歩いてきました。

40代中頃のご夫婦の方でした。
”きみを探していたんだよ” と、声をかけられ、
一瞬、何か粗相をしたのかと思いましたが、心当たりはありません。

”この便は本当に遅れて大変だった。でも、乗客の私たちのために、
無理を聞いてくれて、休むまもなく働いてにこやかに答えてくれた、
君のサービスにお礼が言いたかった。”

と言われ、両手で握手をされました。 
その一言で、それまでの疲れは一気に吹っ飛びました。

やっと、長い一日(片道)が終わり、結局その日はソウルに泊まることとなりました。
到着が遅すぎて、残念ながら韓国料理を楽しめる時間はありませんでしたが、
一生忘れることのない、初フライと体験記でした。
 
※用語説明 Up Lift:積込み物,
プッシュバック:航空機が搭乗口から離された後にバックして方向転換する事。


次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)
 


 

第54話 時差ぼけについて -  21 Feb.2002-




皆さんは海外旅行中に、”時差ぼけ”を体験したことがありますか?
日本からロサンゼルスに行くのに、日本はまだ夜中なのに、
ロサンゼルスはまだ早朝。しかも、約1日の日付がずれている。 
結局1日目の観光を、ずっと眠いままで過ごした事
なんてありませんか?

国際線に乗務していると、
どうしても”時差”という問題が出てきます。
時差が16時間や17時間あると、
どうしても時差ぼけをしてしまう方が多いようです。
乗務中”クルーレスト”といって、交代でCrewが
休みを取ることになっています。
長距離路線にはクルー用に、いくつかベッドが
備え付けられているので、そこで寝られるのです。
もちろん、ホテルのような快適なベッドではありませんが、
疲れた体を休めるには最高の場所だと思います。

路線によって、2時間から5時間のレストを取ることができます。
また現地滞在期間もさまざまなので、僕の場合は2日間くらいのstayであれば、
現地の時間に合わせることはしないで、出発地の時間で過ごす事にしています。
3日以上のstayになるものについては、すぐに現地の滞在国の時間に体を合わせます。
僕の場合、この調整がうまくいかないと、時差ぼけしてしまいます。

たとえば、香港・ロサンゼルス・香港間は、現地滞在が2日半。
僕は香港の時間で過ごしますのでホテルに着いたら、
お風呂に入って寝ることにしています。
(香港は真夜中なので)
そこで、とっておきなのが”バスクリン”。 
機内は寒いので、意外に体が冷えてることが多く、
このバスクリンのおかげで、体がぽかぽかしてゆっくりと休めます。
このおかげで、僕の場合はほとんどの場合、時差ぼけはしないですみます。
海外に行く機会がある方、ぜひ”バスクリン”、お試しあれ。

長距離で時差ぼけをすることが少ないのですが、
信じられないかもしれませんが、
なんと香港とは時差のない、台湾やフィリピンの
乗務で時差ぼけをすることがあるんです。
それは、スプリット・デューティと呼んでいるもので、
夜一番遅い飛行機に乗務をして現地に向かい、
朝一番早い飛行機の乗務して帰ってくるというものです。 
ホテルに滞在できるのは、4時間そこそこ。
朝おきて、支度をする時間を差し引くと、実際寝られるのは3時間。 
お昼前にはうちに帰るのですが、一日中けだるく、眠たい・・・ 
まさに時差ぼけをしています。

この調整をする方のが、僕には難しいのです・・・。  
どなたかよい解消方法をご存知の方、いらしゃいませんか?


次回へつづく。。。。

(来週更新予定です)



 

第55話 三期三会? -  28 Feb.2002-




”一期一会”という言葉を聞いた事がありますか?
この言葉は、茶会の心得からで、あの千利休のお弟子さんで、
宗二の”山上宗二記”に”一期に一度の会”とあります。
つまり、”一生に一度限り”という意味ですよね? 
なので、国際線でお会いする一人一人のお客様が、
この”一期一会”なのだと、僕は固く心から信じていました・・・。

ところが、なんと一人お客様に、3回もお会いすることができたのです。
最初は、香港発シンガポール系由バンコク行きの機内の中でした。
お客様は、カナダのトロントから乗り継いで、
バンコクでバケーションをされるということでした。
シンガポールが大雨(と、ものすごい雷)で、出発が大幅に遅れたため、
お客様といろいろ話して時を過ごしていました。 
一時間半遅れて、目的地のバンコクに着き、お客様とお別れしました。

そのお客様と再会したのは、バンコク発インドのムンバイ
(旧ボンベイ)行きの機内でした。
トイレ掃除をしていると、後ろから声をかけられました。
”あなた、3日前にシンガポール系由バンコク行きの便に乗っていなかった?”
”はい、乗っていました。”と答えると、
”あの時も、私の前でトイレ掃除をしていたのよ。 覚えてる?” と・・・。
トイレの前で、そういえば ”緊急事態なら、お先にどうぞ。 
でも、そうでなければ、3分で綺麗にするので、掃除後に使いませんか?” 
と、聞いたお客さまだったかがこんなような方だった
な〜って、思い出してきました。
その後は、通路でトイレ談義?に花を咲かせました。

3回目にお会いしたときは、香港発カナダ・トロント行きでした。
お客様の搭乗が始まり、まもなくそのお客様が乗り込んでこられたのです。
お互い顔を見るなり、大笑いしながら、”Oh my God"の連発でした。
こんなことの確率なんて、何十万分の1なんでしょうね。

でも、ほとんど(全員)のお客様が”一期一会”なのです。
お客様によっては、初めて飛行機に乗られる方も居るかもしれません。
何十回、何百回も飛行機を利用された方でも、
初めてうちの会社を使われる方もいらっしゃると思います。
そして、その方々に機内で最初で、たぶん最後の”一会”をします。
そのお客様が、(いい意味でも悪い意味でも) どのようなお客様であっても、
その出会いを大切にしていきたいと思います。 
どんなつらい事があっても、ファースト・フライトの
韓国人ご夫妻を思い出すようにしています。 
たとえ国籍は違っても、人の暖かさは同じだということを
改めて感じたさせられこと、このことを肝に銘じて、
これからのフライトの糧としていきたいと思います。

最後に、クルーを目指している皆さん、特に年齢で諦めようとしてる方、
僕は30代でクルーになりました。 初心忘るべからず!です。 
年齢なんて関係ありません。
要は、自分がその会社のカラーに合えば、面接なんて簡単に行きます。
面接の前にお金と時間が許すなら、受験する会社の飛行機に乗ってみて、
自分が制服を着て、お客様の前に立っているイメージ・トレーニングも
ひとつのてじゃないかと思います。
僕は、この方法を使いました。 
でも、一番大切なことは、自分を信じる、ということじゃないかと思います。
皆さんに、いつか機上でお目にかかれることを楽しみにしています。

4週間お付き合いくださいましてありがとうございました。
それでは皆様、再見!

 

 



 



climbing
( Photo by (c)messy )






= 第56話から第59話までの担当クルー紹介 =


 
はじめまして、今回からの4話を担当させていただくことになりました
外資系現地ベースのはちみつちゃんです。
まだまだひよこのクルーですが、入社してからこれまで
のことをお話させていただきたいとおもいます。
よろしくお願いいたします☆
 

 

第56話 接客って難しい! - 7 Mar.2002-


 
フライト前には毎回ブリーフィングがあって、たいていパーサーの
「では今回もいいチームワークで、楽しく、心をこめたおもてなしをしましょう。」
という感じの言葉で締めくくられます。
その言葉に励まされ、楽しく、いいサービスをしたいといつも思います^^
 
とはいえ、実際のところ「絶対スチュワーデスになる!」
と思っていた頃考えていたほど、“常に笑顔で丁寧にサービスをする”
というのは簡単なことではないのだということが、フライトし始めて
よく分かりました。つまり飛行機に乗っていらっしゃるお客様には本当に
いろいろな文化的背景のかたがいらっしゃって、
それぞれ考え方がちがうっていうことです。
 
まず、英語が全く通じないかた。
お飲み物のご希望を聞いても、答えがわからない。。。
「%~O!$#|*`?>!」 (・・・おっと・・・)
(もう一回聞いてみる)「%~O!$#|*`?>!」(うーん・・・ね・・・^^;)
(同じ事を2回聞いたところで、知らない言語を理解できるわけはなかった・・・)
でもなんとか、ドリンクカートの中身をあれこれ出してみてようやく解決。
次に別の方に同じものを頼まれた時には、「%~O!$#|*’?>!」が
例えばビールなんだって事を、分かっちゃったりして。
 
飛行機に乗るのが始めてであったりするお客様は、ミールにチョイスがある
ということを知らなかったりもします。どちらがいいかお聞きしても、うなずくばかり。
フォイルをめくって中身をお見せしても、うなずいている・・・・・。
(うーむ・・・どっちがいいんだろう・・・この国の方は、たぶんチキンかね??)
なんて、想像までしています。
 
フライトタイムがごく短いのにスペシャルミールが100個以上あるような便
に限って、ドリンクカートが一歩出ようものなら前から後ろから注文の嵐。
一度サービスして前に進んでも、後ろから2杯目、3杯目の注文。
前のほうからは「早く!のどかわいてるんだから!」
横からは「ブランケット!」 「おもちゃ!」 「カード!」
おおおおおお!!そんな一度にはできないのよーーー。@_@
出来るだけご要望にお答えしたいけれど、フライト時間が短いだけに
全てにお答えするのは本当に難しい。
 
しばらくこうやって色々な国へ乗務してみて、この仕事には本当に国境がない
んだと言うことをつくづく感じました。そしてそれは、まさしく私が求めていた
環境だったのです。その文化を知らなければ、ジェスチャーでさえ理解できない
事だって多々あります。でも、本当はそれが当たり前のことだから、もちろん
腹を立てたりはできない。自分に「落ち着いて」といいきかせて、出来るだけ
理解しようと勤めてみる。そうすると不思議、降りていかれるお客様が
笑顔で、両手で握手をしてくださったり、名札をみて私の苗字をみんなでコール
してくださったり(笑)ああよかった、とほっとできたりするんです。
 
そして日本人のお客様はというと、同じ言葉を話し、
同じ文化に育っただけあってやはりその分高い理解を要求される。
お客様も日本人乗務員が乗っていれば苦情だって言いやすい。
でも同じ言葉でお話できる分、色んな情報を交換できる。。
小さな事で喜んで頂けたり、頑張ってもご機嫌がなおらなかったり。
接客って、本当に奥が深いのです。難しいけれど、
それが私がやりたかったこと。まだまだ勉強の日々です。
 

 

第57話 海外で暮らすということ - 14 Mar.2002-


 
念願かなってクルーの花道への切符を手にしてから
現地へ飛び立つまでの時間はあっという間のものでした。

どんな生活が待っているのかワクワクドキドキ、
毎日のようにガイドブックを眺めてみてはニンマリ。
訓練に入ったらしばらくは日本に帰ることが出来ない、
なんていうことも大して気にもせず、
半ば旅行客のように出発の日を待った私でした。
そして、ついにこの国にやってきたのです。
 
訓練中は朝が早く復習やテストなどがあり、
あっという間に過ぎていきました。
この国での生活を楽しむ時間が出来てきたのは、
訓練が終わりフライトし始めてからではないでしょうか。
日本よりずっと物価が低いこの国では、割といい部屋に住むことができて、
食べるものに困ることももちろんありません。
ただ、やはり大変なこともたくさんあるのです〜。
 
例えば、言葉。
私達は基本的に日本人のお客様のために雇われている為、
この国の言葉が出来るかどうかが採用の基準なわけではなく、
訓練中も特に言葉に関して勉強する機会がありませんでした。
日本よりは英語を話す人が多いようには思うけれど、
それでもやっぱり、英語はこの国の言葉ではありません。
こちらに来て間もない頃は、タクシーの運転手さんに
目的地を伝えるのにちょっとドキドキでした。

とはいえタクシーを使わざるを得ないこの生活、
大きなトラブルこそないものの、意思疎通が出来ないことで
ココに暮らしていく上でのストレスにはなっているのかも・・・・。
特にこの国のタクシーの運転手さん達は適当な人が多くて(ゴメンナサイ)、
「オーイ、そんな車でちゃんと走るのか?(・_・;)」
と思うようなことも多々あったりして。
仕事のためとはいえ、海外に暮らすというのはなかなか大変なことです。
 
でもこの国には見るもの、食べるものが多種多様あって、
とってもエキサイティングです。ちょっとのお休みがあれば
世界遺産やリゾートにだって足を伸ばせる。
ちょっとあれ買いに〜まで、なんてことも。
マッサージやネイルサロンに行ってリラックスな休日を送ったときは、
なんて恵まれているんだろうと我ながら幸せに思います。
エアラインのスタッフである限り、ちょっとした小旅行にも
割引なんかが使えちゃうしね。
 
エアラインで働いて、飛行機に関わる仕事をしていても、
職種や会社によって本当に様々な毎日なんだろうと思います。
自分が一番興味を持って、楽しんで出来るお仕事につけるって、
本当はすごく難しいこと。
やってみないと分からない事が、実際は多いものです。
でもそれが自分にピッタリだったら、本当にラッキーなことですね☆



 

第58話 流れ星の日 - 20 Mar.2002-


 
クルーでなくても、飛行機の窓からすばらしい朝焼けや
夕焼けにうっとりしたことのある方は多いのではないでしょうか。
赤やピンクやオレンジや・・・例え様のない美しい色の重なった
空を見ることが出来ると、本当に自然の偉大さに圧倒させられます。
果てしなく美しい空しか見えないその空の中を通ってゆくと、
忙しい朝食のサービスももっとゆったり、優雅にしたくなるものです(^^)

今回は昨年の、しし座流星群の夜のお話です。
「今年ももうすぐしし座流星群が見れるらしいよ」と同期と話していた矢先。
私は深夜便で名古屋へのフライトが入っていました。
10年以上乗務していらっしゃる日本人の先輩と一緒のフライトです。
ブリーフィングを済ませ、先輩とお話をしながらクルーバスに乗り込みます。
機内で出発の準備も終わり、お客様の搭乗開始。
この便は深夜の出発の為、離陸後は軽いお食事のみのサービスで、
お客様達は通常すぐに、お休みになります。
ところがこの日がちょうど、しし座流星群の日だったのです☆ 

ちょうど片付けが終った頃。キャプテンから、まもなく両方の窓から
流星群が見えるから、アナウンスを入れるね、との電話。
その日、日本語アナウンスを担当していた私は、
はじめキャプテンが何が見えると言っているのか分からず聞き返すと、
流れ星がたくさん見える日だから、ということ。
「そうだ!今日がしし座流星群の日だったんだ!」と嬉しくなって
私もすぐに日本語でアナウンスを入れました。
お客様はもちろん壁にピッタリ!
皆さん毛布をかぶって窓にピッタリ張り付いていらっしゃいました。
皆さんすることが同じでそれもちょっと面白かったです。(笑)
ぐっすり眠っていらっしゃった方を除いては、
真中に座っていらっしゃった方も窓の外をみにいらっしゃいました。

それはそれはもう、美しい眺めでした・・・。
サービスが一段落していたので、
クルーはキャプテンからコクピットに招待され、
入れ替わりでコクピットに入ってはため息。
「うわー!」「すごーい!」「おおきい!」「まただ!」
とヒソヒソしながらみんなコクピットで押し合いへし合い。
一体幾つの流れ星が見えたか・・・
後にニュースで聞いたところによると、1時間に8千個見えたとか。
確かに、肉眼で尾まではっきり見えました。
キャビンでお客様とも「よくみえますね〜」とお互いに嬉しい会話が生まれ、
乗務員ともどもその便に乗り合わせたことは本当にラッキーなことでした。
空の上から色んな空を見るのは、地上から眺めるのは
またちょっと違ってとても偉大でロマンチックです。

「雲の上にのってみたい」という女の子に
「ママも昔そう思っていたわ」・・という機内での
親子の会話にも、納得、笑顔がこぼれます☆ 

今回はどんな空が待っているのかな・・・。

 



第59話
国民性について - 28 Mar.2002-


 
外資系の会社で働く、ということは、
つまりその国の人々メインの中で外国人として働く、
ということです。

今回は私の会社の国の人々との事をお話したいと思います。

この国の人たちは基本的に穏やかで優しく、
日本人ともなじみやすい性格だと思います☆
日本便では基本的に1〜2名の日本人が乗務していますが、
一人で乗務しても特に何ら問題もなく、
○○人たちと仲良く仕事できることがほとんどです。
男性クルーは特によく仕事をしてリードしてくれるし、
女性も「これは私がするからいいよ」などお互い譲り合って
働くというような日本人に近い精神があり、日本の雑誌に興味を示したり、
ステイ先での話や恋愛の話なども、積極的に分け隔てなく会話が出来ます。^−^

とはいえ、何事にもきちっと、時間通りに、責任感を持って
要領よく働く日本人の国民性を強く持っている人にとっては、
「なぜ?」とじれったく思うようなこともあることは事実です。
実際、やりにくいと思うことがある人も、いないわけではありません。
きっとどこに行っても、同じようなことがあるはずです。
「外国人」や「日本人」に対する考え方も、
その国によってそれぞれあることでしょう。
もちろん、日本人同士であっても、気が合う人と合わない人、
というのは多少なりともあるでしょうけれど。。。

狭いギャレーに何人もが一緒に働いたり、(しかも多くの場合が初対面どうしでね)
手際よく多くのお客様にサービスをするためには、やはりチームワーク
というのはとても大切なことで、現地クルーとうまくやって
いけるかどうかは大きなポイントだと思います。
だからこそ、お互いに認め合い、受け入れあっていかなければ
物事スムーズにはいかないし、クルーのチームワークが悪ければ、
それはきっとお客様にも伝わってしまうものだと思います。

クルー同士が楽しく、気持ちよく働けること、それはすなわち
お客様にもいいサービスを提供できる、という風につながっていくはずです。
この会社で20年以上も日本人乗務員として仕事をされた先輩が
こうおっしゃっていました。「大切なのは、許すことです。」と。
せっかく働くのなら、気持ちよく働きたい。
どの国の人とも、仲良くできる人でありたい、私はそう思います。

まだしばらく、この環境で仕事をしていくことになると思います。
いろんな国のことをもっと知りたいし、たくさん友人を持ちたい。
このお仕事が出来ることでの、最大の魅力かもしれないですね☆

それでは、まだまだ経験の浅い私のお話しに、
第4話までお付き合いいただきましてありがとうございました☆ 
ご意見などございましたら是非、お寄せいただけたらと思います。
皆様のステキな空の旅をお祈りしつつ・・・。




a__sha@hotmail.com



 




 



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